2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890146
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
吉村 友秀 Ehime University, 医学部附属病院, 医員 (80452697)
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Keywords | 唾液腺癌 / エストロゲン / エストロゲンレセプター / タモキシフェン / ホルモン療法 |
Research Abstract |
唾液腺腫瘍由来培養細胞株HSG、HSY、ACCMのエストロゲンレセプター(ER)の発現についてwestern blottingにより検討を行った。その結果、いずれの細胞にもエストロゲンレセプターの発現を認めなかった。一般的に唾液腺腫瘍は培養が困難であり、ERを発現していない高悪性唾液腺腫瘍細胞が培養株化されているためと考えられた。そのため、計画していたとおり、Dr Chambonより供与されたER発現ベクターおよびコントロールベクターをリポフェクション法によりACCM細胞へ導入し、ER発現ACCM細胞およびコントロール細胞を製作した。これらの細胞を用いて、ER発現が細胞増殖に与える影響について検討をおこなった。具体的にはER発現培養細胞株およびコントロール細胞にエストロゲン(Eg)を加え、その細胞増殖に与える影響について検討をおこなった。その結果、ER発現ACCM細胞はEgの添加によりコントロール細胞の増殖が亢進することが明らかとなった。 また、耳下腺、顎下腺、舌下腺および小唾液腺の正常唾液腺組織27例、および腺様嚢胞癌、粘表皮癌、唾液腺管癌といった唾液腺癌組織8例について、実際に乳癌においてホルモンレセプターの発現を調べるために臨床で応用されているDakoのシステムを用いて免疫組織学的検討を行った。その結果、正常唾液腺組織、および唾液腺癌組織ともにERの発現を認めなかった。これについては症例数を増やして、再度検討をおこなう予定である。
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