2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞分化におけるWntシグナルおよびBMPシグナルのクロストークの解明
Project/Area Number |
19890160
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 英津子 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20432924)
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Keywords | 骨芽細胞 / Wntシグナル / BMPシグナル |
Research Abstract |
骨芽細胞の分化を調節する、WntシグナルおよびBMPシグナルという2つのシグナル間のクロストークを解明するという目的で本研究を行った。そのうち、平成19年度は、上記の両シグナルがお互いに影響を及ぼしているかどうか、その相互関係を検討することであった。 1、Wntシグナル伝達経路からBMPシグナル伝達経路への影響の検討 BMPシグナルを伝える分子Smadl/5/8のリン酸化について、 Wnt-3aを添加したMC3T3-E1細胞(マウス頭蓋冠由来骨芽細胞)を用いたウエスタンブロット法によるタンパク質レベルでの発現を検討した。その結果、Wnt-3aを添加したものでは、コントロールに比べて発現が強く、すなわちリン酸化が亢進していることが示唆された。また、そのメカニズムの解明に関して、Smad転写活性について検討するため、レポーター遺伝子の作成を行ったが、トランスフェクションの効率が高くないためか、Wnt-3aを添加したものと、コントロール間に有意な差がみられなかった。この点については、詳細な検討を続ける。 2、BMPシグナル伝達経路からWntシグナル伝達経路への影響の検討 BMP-2を添加した細胞を用いて、wntシグナルで重要な役割を果たしているβ-カテニンのタンパク質発現について検討した。その結果、β-カテニンのタンパク質発現はBMP-2を添加したものでは、コントロールに比べて発現が高かった。さらに、Wntシグナルで活性化されるTCF/LEF転写因子について、TCF結合部位を有するレポータープラスミドを使用して検討したが、現在のところコントロールと有意差がなく、さらなる検討が必要である。 この結果から、WntシグナルおよびBMPシグナルの両シグナルは相互に影響し合っていることが推測された。
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