2007 Fiscal Year Annual Research Report
MMP-2とラミニン-5の相互作用による歯周ポケット形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
19890163
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉永 泰周 Nagasaki University, 医学部・歯学部付属病院, 医員 (60452869)
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Keywords | 歯周ポケット / MMP-2 / ラミニン-5 / LPS / 歯周病原性細菌 |
Research Abstract |
歯周炎は歯周ポケット形成や歯槽骨吸収を伴う疾患である。歯周ポケットはJEが根尖側に移動し、さらに根面から剥離することにより生じると考えられている。また、JEの根尖側移動には歯周病原性細菌や宿主細胞の放出する炎症性、免疫性メディエーターが関与していることが示唆されている。しかしJEの根尖側移動についての明確なメカニズムは現在も明らかではない。 近年、MMP-2とラミニン-5が上皮細胞移動の誘導に関与しているという興味深い報告がなされ、歯周炎患者由来のGCFもしくは歯周組織においてMMP-2やラミニン-5が上昇しているという報告もある。さらに歯周病原性細菌は菌種間でLPSの生物学的活性が異なることが知られている。そこで今回以下のような仮説を立てた。 「歯周病原性細菌由来LPSの刺激を受けた歯肉線維芽細胞のMMP-2発現が増加し、その発現されたMMP-2が基底膜中もしくはJE基底細胞の分泌したラミニン-5の_γ2鎖を切断することにより、JEの根尖側移動を誘導する。また菌種間におけるLPS刺激による歯肉線維芽細胞のMMP-2発現の違いによりJEの根尖側移動に差が生じる。」 本研究ではこの仮説を検証するために精製したA.a、P.g由来のLPSをルイス系雄性ラット上顎両側第一臼歯口蓋側歯肉溝内滴下により作成したラット歯周炎モデルを用いて、HE染色によりJEの根尖側移動量、免役染色によりラミニン-5、MMP-2の発現の菌種間の相違を検討した。 またMMP-2阻害剤をLPSと混合して歯肉溝へ滴下して、LPSのみを滴下した群とHE染色切片によりJEの根尖側移動量を比較し、JEの根尖側移動にMMP-2が関与しているかについて調べた。また合わせて菌種間における相違も検討した。
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