2008 Fiscal Year Annual Research Report
MMP-2とラミニン-5の相互作用による歯周ポケット形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
19890163
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉永 泰周 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (60452869)
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Keywords | 歯周ポケット / MMP-2 / ラミニン-5 / LPS / 歯周病原性細菌 |
Research Abstract |
歯周炎は歯周ポケット形成や歯槽骨吸収を伴う疾患である。歯周ポケットはJEが根尖側に移動し、さらに根面から剥離することにより生じると考えられている。しかし歯周ポケット形成のメカニズムは現在も明らかではない。 これまでLPSをラット歯肉溝へ滴下し歯周組織に炎症を惹起して歯周ポケット形成を試みたが、確立にはいたらなかった。そこで腹腔内LPS投与により事前に免疫系の活性化を誘導した感作ラット(感作群)とLPSの代わりにPBSを腹腔内に投与した非感作ラット(非感作群)の上顎口蓋側歯肉溝へ毎日LPS滴下を30分間行った。各群0,5,10,20回滴下し、LPSの最終滴下24時間後に屠殺、上顎骨を摘出して組織標本を作製した。作成した組織標本を用いて病理組織学的評価を行った結果、感作群では歯周ポケット形成(アタッチメントロス)が10日目で観察され、さらに20日目には増大していた。非感作群では20日目においてのみ観察された。5日、10日、20日目における非感作群との比較において、接合上皮(JE)への炎症性細胞の浸潤、JEの根尖側移動、アタッチメントロスにおいて感作群が高い値を示した。 さらに近年、MMP-2とラミニンー5が上皮細胞移動の誘導に関与しているという興味深い報告がなされ、歯周炎患者由来のGCFもしくは歯周組織においてMMP-2やラミニンー5が上昇しているという報告もある。そこでMMP-2とラミニン迅の歯周ポケット形成への関与を調べるために現在免疫組織学的手法によりMMP-2およびラミニンー5陽性細胞の接合上皮周辺組織における分布を検討しているところである。
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