2007 Fiscal Year Annual Research Report
新たなアプローチによるアミロイド沈着機構の解明と原因蛋白質の検出法に関する研究
Project/Area Number |
19890164
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
植田 光晴 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (60452885)
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Keywords | アミロイドーシス / トランスサイレチン / SELDI-TOF MS / マイクロアレイ / リアルタイムPCR法 |
Research Abstract |
1.アミロイド形成に関運した因子の網羅的解析 マウスにAAアミロイドーシスを惹起させ経時的に安楽死させた後に肝臓と脾臓を採取しRNAを抽出した。オリゴDNAチップを用いて網羅的な遺伝子発現変動を解析したところいくつかの遺伝子で発現が増減することが判明した。対照として炎症のみを惹起させたマウスを便用した。これらの潰伝子が増減していることを確認するため、プライマーを設計しリアルタイムPCR法でmRNAレベルを確認中である。また、血清を用いてSELDI TOF-MSで網羅的な蛋白質解析を行ったところ、こちらもいくつかのピークが変動していることか判明した。現在はピークの由来蛋白質の同定に向けて解析中である 2.SELDI-TOF MSを用いたアミロイド前駆蛋白質のハイスループットな質量分析 (1)炎症反応が強い患者血清を用いて、SAAをSELDI-TOF MSで解析したところSAA由来と考えられる複数のピークが検出された。SAAのアミノ酸が一部断片化したためと考えられた。遺伝子多型との関連を含めて検討中である。(2)SELDI-TOF MSを用い、種々の異型TTRをSELDI-TOF MSで解析し検出率の高い条件を検討したところ、Q10チップを用いて最も良好な検出が出来ることが判明した。アミノ酸変異に由来する理論的な質量差とSELDI-TOF MS実測値の差は良好に相関した。本システムは迅速なFAP診断に有効であると考えられる。しかし、一部のTTR変異型のFAPで異型TTRが血中より検出しにくいことも判明した。病態との関運を解析中である。 3.細胞株を用いたTTR代謝動熊のリアルタイム解析 マウス由来の細胞株であるP19CL6を用いてTTRの動態解析を行うため基礎検討中である。
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