2007 Fiscal Year Annual Research Report
腎悪性腫瘍に対するラジオ波凝固療法の補助的手段についての基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
19890187
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
寺山 耕司 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (40453097)
|
Keywords | IVR |
Research Abstract |
今年度は犬の腎を用い、以下の条件でRFAを施行した。すなわち、 (1)RFAを正常腎に行う(n=2)。 (2)片側の腎動脈本幹まで透視下にバルーンカテーテルを進め閉塞し、閉塞開始直後より閉塞側の腎にRFAを行う(n=2)。 (3)片側の腎動脈本幹まで透視下にバルーンカテーテルを進め閉塞し、閉塞開始5分後より閉塞側の腎にRFAを行う(n=2)。 (4)腎動脈末梢枝までバルーンカテーテルを進め閉塞し、閉塞開始直後よりバルーン閉塞された腎動脈枝の支配領域の腎にRFAを行う(n=2)。 (5)腎動脈末梢枝までバルーンカテーテルを進め閉塞し、閉塞開始5分後よりバルーン閉塞された腎動脈枝の支配領域の腎にRFAを行う(n=2)。 (1)-(5)群のいずれにおいても、血管から離れた腎実質、腎動脈近傍、腎静脈近傍をそれぞれ焼却し、部位別および(1)-(5)群間での腎実質の焼却程度の違いを組織学的に検討し、さらに尿管系への損傷の有無、その程度を検討した。 また、上記(1)-(5)群において閉塞腎静脈および対側腎静脈、腎静脈分岐部中枢および末梢側の下大静脈のレニン活性を測定し、また血圧のモニタリング、RFA前後での血液および尿検査による腎機能のcheckを行った。 バルーンカテーテルを用いて腎動脈を一時的に閉塞し、RFA治療を行うことによって冷却効果を受けることなくRFAの正確な焼灼範囲が得られるものと考えられるが、一方で腎動脈を一時的に閉塞させることにより、血圧上昇や循環動態へのなんらかの悪影響も生じる可能性があり、本研究ではまず腎動脈閉塞下RFAの動物実験を行い、その基礎データをもとに、腎動脈閉塞下RFAをより確実、安全に臨床応用できるようにInterventional Radiologyの一手技として確立していく。
|