2008 Fiscal Year Annual Research Report
腎悪性腫瘍に対するラジオ波凝固療法の補助的手段についての基礎的・臨床的研究
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19890187
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
寺山 耕司 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (40453097)
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Keywords | ラジオ波凝固療法(RFA) / 腎悪性腫瘍 |
Research Abstract |
今年度は、腎悪性腫瘍に対するラジオ波凝固療法(RFA)におけるCT透視の有用性について以下のプロトコールで験討した。2007-2008に腎癌に対しRFAが施行された22人の患者(男13,女9:年齢59-84歳)に対しCT透視がイド下にRFAニードルを病変まで進めた、開始出力は30-40Wとし、5-10W/分の割合で上昇させた。1)インターバルがある、2)治療後の造影CTで腫瘍内部に造影効果がない、3)RFA後の組織温度が50℃以上、のいずれかの条件を満たした場合手技的成功とした。このような方法で治療を行ったのち、腫瘍の治療効果の判定、局所再発率、合并症などの判定を、CT・FDG-PETなと種々の画像診断、および臨床症状から行った。画像診断は治療1週間後、2ヵ月後、6ヶ月後と行い、さらに1・2年後にも施行する。これらの研究はすでに終了し、現在そのデータを解析中である。今後、以下のプロトコールで腎悪性腫瘍に対するバルーンカテーテルによる一時的腎動脈閉塞下RFA療法について検討し、安全性や治療効果を確認する予定である。 (1)腎動脈閉塞下RF治療:犬の腎を用いて(1)RFAを正常腎に行う(n=2)。(2)片側の腎動脈本幹まで透視下にバルーンカテーテルを閉塞し、閉塞開始直後より閉塞の腎にRFAを行う(n=2)。(3)片側の腎動脈本幹まで透視下にバルーンカテーテルを進め閉塞し、閉塞開始5分後より閉塞側の腎にRFAを行う(n=2)。(4)腎動脈末梢枝までバルーンカテーンカテーテルを進め閉塞し、閉塞開始直後よりバルーンン閉塞された腎動脈枝の支配領域の腎にRFAを行う(n=2)。(5)腎動脈末梢枝までバルーンカテーテルを進め閉塞し、閉塞開始5分後よりバルーン閉塞された腎動脈枝の支配領域の腎にRFAを行う(n=2)。(1)-(5)群のいずれにおいても、血管から離れた腎実質、腎動脈近傍、腎静脈近傍をそれぞれ焼却し、部位別および(1)-(5)群間での腎実質の焼却程度の違いを組織学的に検討し、さらに尿管系への損傷の有無、その程度を検討する。この基礎研究から、腎動脈閉塞RFA治療における至適腎動脈閉塞部位(中枢vs末梢)、閉塞時間(直後vs5分)を求める。 (2)レニン値測定:上記(1)-(5)群において閉塞腎動脈および対側腎静脈腎静脈分岐部中枢および梢側の下大静脈のレニン活性を測定する。カテーテルを静脈内にも挿入し、それぞれablation前、バルーン閉塞5分後、ablation開始5分後、ablation終了直後ablation終了5分後に採血を行う。血圧はablation開始前から終了後まで常時モニタリングをする。またRFA前後で血液および尿検査により腎機能のcheckを行う。 これらの基礎実験でのデータをもとに、臨末の場で腎動脈閉塞下RFA治療を施行し、症例を蓄積していく。腫瘍の治療効果の判定、局所再発率、合併症などの判定を、CT-FDG-PETなど種々の画像診断、および臨床症状から行う。画像診断は治療1週間後、2ヵ月後、6ヶ月後、1年後、2年後に行う。
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