2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨と靭帯結合部(エンテーシス)の再生技術確立と臨床応用
Project/Area Number |
19890190
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鈴木 亨暢 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 後期研究医 (00445016)
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Keywords | 腱骨連結部 / rhBMP / 注入 / 腱内異所性骨化 / 4層構造 / 内軟骨性骨化 / 骨癒合 / 力学試験 |
Research Abstract |
(1)BMPを用いて正常4層構造を有するtendon bone junctionの再構築 家兎アキレス腱にBMP入りポリマー埋植実験を行ったが、安定した骨化が得られなかった。技術的に手技が不安定であると考え、より簡素化したBMP注入法に変更することによって安定した骨化が得られた。2週後の軟X線では腱内に点状の骨化巣が出現し、4週にかけて徐々に範囲が拡大した。骨密度計測では2週から経時的に骨密度の増加が見られた。組織学的には1週目で細胞数増加が認められ、2週で腱線維内に卵形細胞が出現し、toluidine blue染色で異染性を示した。3週目で卵形細胞周囲の一部にvon Kossa染色陽性領域が広く分布し、4週では内軟骨性骨化に類似した骨形成が見られた。偏光顕微鏡にて腱と骨に線維の連続性が見られ、腱・非石灰化軟骨・石灰化軟骨・骨の4層構造が確認された。 (2)再構築enthesisの機能的評価と臨床に直結した動物実験モデルでの有用性 家兎脛骨近位部に骨孔を作成し、再構築されたenthesisを移植した。コントロール群では腱のみを骨孔に通した。4週後のCTで、コントロール群では骨孔内に骨新生がなかったのに対し、enthesis移植群では骨孔が移植骨で充填されていた。組織学的評価では、enthesis移植群で移植骨と母床骨の骨癒合が認められ、enthesisの4層構造は維持されていた。また力学試験ではコントロール群に対しenthesis移植群で引っ張り強度が有意に高値を示し、力学的特性回復が見られた。今後、この再構築されたenthesisを用いて臨床応用を可能とするための動物実験モデルの作成を予定している。
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Research Products
(8 results)