2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患患者が自らの身体を手入れするための看護援助プログラムの開発
Project/Area Number |
19890191
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
河田 照絵 University of Hyogo, 看護学部, 助教 (40438263)
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Keywords | 慢性呼吸器疾患 / セルフケア |
Research Abstract |
本研究は安定期にあるCOPD患者が自ら身体のコンディショニングを行っていける看護援助プログラムの検討を目的とし、本年度は患者がどのような身体状況にあり、どのような援助を必要としているのか明らかにすることを目的とした。研究方法として、身体状況を明らかにすることを目的とした(1)生体学的測定(歩行テスト、体格の計測など)、(2)検査結果(呼吸機能など)のデータと、(3)インタビューを用いた。結果、外来通院をしているCOPD患者7名に研究協力への同意を得られた。協力者は自分の日々のからだの変化を「用心する」「敏感になる」「気遣う」「身体感覚で捉える」ことで調整していた。目安として「体の冷え」「イライラ」「息の吸いにくさ」「普段は感じないちょっとしたしんどさ」「季節による身体の変化」などを捉えていた。また、日常を保つために、「1日の生活のペースを決める」「日課を生活時間の中に組み込む」「できると思って動く」「薬を欠かさない」などを行っていた。協力者は「なかなか身体がついていかない」思いがある半面で、自分の良い部分に自信を持っていた。例えば、歩行テストでは自分の感じていたしんどさの目安を数値でみて、活動負荷の程度を確認したり、経験と病気をつなぎ合わせながら身体を理解し、良い経験になったと評価し、体格の計測では自分の良い部分、大事にしてきた部分を看護師と確認することを通して、すべてが悪いのではなく自分の持つ良い部分があることを確認していた。 以上より、安定期にあるCOPD患者がより長くその状態を維持していくための看護支援として、生活における身体の捉え方や取り組みを明らかにしながら、生活に支障や気がかりへの支援を行いながら、良い部分を共に確認し継続して身体を管理していける方策を考えていく援助が必要である。それはただ、教育的指導ではなく、看護者として身体を一緒に見ていく技術や生活の中にCOPD患者特有の日課を組み込むことを助けるという視点が重要であると考える。
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