2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソノポレーション法を用いた骨誘導における新たな治療法の開発とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
19890195
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
岩永 賢二郎 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (20448484)
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Keywords | ソノポレーション / 骨延長 / マイクロバブル / 遺伝子導入 / bFGF |
Research Abstract |
骨延長術は骨の造成のみならず周囲の骨膜、筋、神経脈管などの軟組織も同時に延長されることから、従来の骨欠損部位に対する自家骨移植術にはない利点を有する.しかしながら骨移植法に比べ治療期間の長期化が大きな欠点とされている.近年、骨延長術の治療期間の短期化を目的とした骨硬化促進の研究がなされている.骨硬化期間に骨延長部へ刺激を与え、創傷治癒促進、骨硬化促進を獲得する方法である.この刺激としては、骨形成因子(BMP、bFGFなど)の局所注入、低出力超音波刺激(LIPUS)などがある.LIPUSでは安定した骨硬化促進作用を確認できたが、bFGFの注入に関しては、局所に安定して作用する担体を必要とし、結果が不安定であった.これらの結果から、bFGFを安定して延長部に作用させる方法が必須となっていた.申請者は顎骨に骨延長術を行い、延長部骨芽細胞にbFGF発現プラスミドを安全で効果の高い超音波遺伝子導入法(ソノポレーション法)で導入し、創傷治癒および骨硬化を促進することにより、骨延長期間を短縮できると考えた. 平成19年度は、In vitroの実験系における骨芽細胞への導入効率の検討を行った.超音波遺伝子導入装置を用いマウス正常骨芽細胞MT3T3 cellおよびヒト由来骨芽細胞様細胞Saos2にβ-galactosidase発現遺伝子を導入し、導入効果が高い条件を検討した.β-gal発現遺伝子とマイクロバブル溶液(Sonovue)を混合し、遺伝子/マイクロバブル複合体溶液を調製する.この溶液を細胞懸濁液に加え、さまざまな条件で超音波照射した.24時間培養後、β-gal染色したところ、超音波強度2.0W/cm2、照射時間20秒、DUTY比50%で最も高い導入効果が得られた.また近年、細胞レベルの精度で遺伝子導入を"狙い撃ち"できるナノバブルも出現し、その研究開発が盛んになっている.そこで、次世代マイクロバブルとして帝京大学薬学部からバブルリポソームを供与した.上記実験をバブルリポソームを用いて検討を行い、導入効率が向上するかどうかを現在調べている.
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