2007 Fiscal Year Annual Research Report
線虫における、補体系因子C3様蛋白の発現及び機能解析
Project/Area Number |
19890200
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
丹治 貴博 Iwate Medical University, 薬学部, 助手 (60453320)
|
Keywords | 補体 / 線虫 / 筋肉 / 神経 |
Research Abstract |
(1)RT-PCR解析により、cTEP遺伝子から6種類のスプライシングアイソフォームが発現していることを明らかにした。これらのアイソフォームは量的には全て同程度発現していると考えられた。昆虫等の他の無脊椎動物種とは異なり、線虫はTEP遺伝子を一種類しか有さないが、複数のアイソフォーム間の機能的差異により、多様な機能を担う可能性がある。 本研究は、補体系因子C3の線虫におけるプロトタイプと考えられるcTEP(Caenorhabditis elegans thioester-containing protein)の発現及び機能解析を目的としており、本年度は発現解析を中心に行った。 (2)cTEP遺伝子の発現組織を解析するために、そのプロモーターにGFP遺伝子をつないだコンストラクトを作成し、線虫に遺伝子導入した。その結果、予想に反して体壁筋及び神経細胞でGFPの発現が検出された。また、GFP融合型cTEPを発現させて蛋白の局在を解析した結果から、筋肉ではdense bodyもしくはその近傍に局在していると考えられる。哺乳類においても筋肉細胞や神経系からのC3の発現はいくつか報告されているものの、その生理的意義の解明はあまり進んでいない。cTEPの筋肉・神経細胞における機能を明らかにすることが、C3の原初機能の解明に繋がると期待される。 (3)抗体調製や生化学的解析に用いるリコンビナントcTEPを得る目的で、安定的にcTEP遺伝子を発現する昆虫由来培養細胞を樹立した。
|