2008 Fiscal Year Annual Research Report
線虫における、補体系因子C3様蛋白の発現及び機能解析
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19890200
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
丹治 貴博 Iwate Medical University, 薬学部, 助手 (60453320)
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Keywords | 補体 / 線虫 / 筋肉 / 神経 |
Research Abstract |
補体系因子C3の線虫におけるプロトタイプと考えられるcTEP(Caenorhabditis elegans thioester-containing protein)の発現及び機能解析を行った. (1)昨年度作成したcTEP::GFP(GFP融合型cTEP)遺伝子の染色体外アレイ導入線虫から、導入遺伝子をゲノムにインテグレイトした系統を作出し、その個体におけるcTEP::GFPの発現を解析した。ウエスタンブロット解析の結果、分泌前のプロセシングにより2本のポリペプチド鎖に分かれるC3とは異なり、cTEPは主に一本のポリペプチドとして存在することが明らかとなった。また、蛍光顕微鏡観察により、胚発生後期から成虫期にかけて発現していること、体壁筋、陰門及び神経細胞とその支持細胞(sheath cells、socket cells)に発現していることを明らかにした。特に神経系における発現に関しては、神経細胞染色試薬を用いた共染色の結果から、一部の感覚神経に発現していることが示唆された。以上の結果は、cTEPが、感染防御における異物認識とは異なる局面で機能している事を示唆している。 (2)cTEP遺伝子の欠損変異体をNational BioResource Projectに依頼、単離した(tm3720)。RT-PCR及びシークエンス解析の結果から、その変異体ではマクログロブリンドメイン中67アミノ酸残基を欠失した変異蛋白を発現すると考えられる。その変異個体において、生存や成長・産卵、また解析した限りではその他の行動に顕著な異常は認められなかった。cTEPの機能が通常飼育条件下では必須ではない可能性、もしくは欠失した67アミノ酸残基がcTEPの機能に必須ではない可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)