2007 Fiscal Year Annual Research Report
レプトスピラの宿主創傷面へのナビゲーション蛋白質の機能解析と新規ワクチンへの応用
Project/Area Number |
19890206
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
福井 貴史 Chiba Institute of Science, 薬学部, 助教 (10453482)
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Keywords | レプトスピラ / 細菌 / 感染症 / 走化性 |
Research Abstract |
ヘモグロビンに対して走化性を示したレプトスピラより、菌体外膜画分を抽出した。抽出した外膜蛋白質をアセトン沈殿後、リフォールドさせ、ヒトヘモグロビン結合アガロースカラムに結合させ、酸性条件化で溶出させた。酸性溶出画分の二次元電気泳動を行ったところ、現在11のスポットが確認された。そのうち1つのスポットを、レプトスピラ外膜リポ蛋白質LipL32であると同定した。そこで、組み換え型LipL32蛋白質の発現・精製系を構築し、抗LipL32マウスモノクローナル抗体2種を得ることが出来た。それらを用いて結合実験を行ったところ固相化ヒトヘモグロビンに対し、LipL32は濃度依存的な結合を示した。現在、いくつかのtruncateな組み換え型LipL32の発現・精製系を構築しており、これを用いてLipL32のヘモグロビン結合ドメインを決定する予定である。また、LipL32をプローブとしたファーウエスタンブロットにおいて、アポヘモグロビンに対しても結合が確認されたことから、ヘミン等を認識しているわけではなく、ヘモグロビンの蛋白質一次配列を認識し、結合することが示唆された。LipL32は、病原性レプトスピラの主要な外膜蛋白質であり、抗原性が高いことが知られているのみで、その機能はほとんど明らかになっていなかったが、今回、LipL32のヘモグロビン結合蛋白質としての機能を明らかとした。今後、LipL32の他に検出されたヘモグロビン結合蛋白質に関して同定を進めるとともに、ヘモグロビン走化性におけるLipL32の役割を解析していく予定である。
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