2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890207
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
新井 陽子 Kitasato University, 看護学部, 講師 (90453505)
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Keywords | 周産期 / 家族機能 / 産後うつ |
Research Abstract |
本研究の目的は、妊娠各期(妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期)における家族機能とメンタルヘルスの関連を明らかにすることである。 平成20年8月、A総合病院にて妊婦450名に自記式調査用紙を配布した。測定尺度は、家族機能を家族アプガールスケール(FAS)、Family Assessment Device(FAD)、メンタルヘルスをHospital Anxiety Scale(HAD)を用いた。調査実施にあたり、所属施設の倫理委員会の承認を得た。 その結果、395名(87.7%)から回答を得た。産科歴による比較を行った。初産婦と経産婦と比較したところ、(1)初産婦は経産婦よりも不安が高い、(2)初産婦は経産婦よりも家族機能が良好であると認識していた。さらに家族機能を詳しく分析すると、初産婦は経産婦よりもFADの情緒的反応、全般的機能の2つの下位尺度において家族機能が良好であると認識していたが、行動統制は初産婦は経産婦に比べ、家族機能が低いと認識していた。次に、メンタルタルヘルス(不安・抑うつ)と家族機能の関連を検討した。メンタルヘルスは、HAD-A(不安)11点以上をDefinite cases、10点未満をNon-casesとした。Definite casesはNon-casesよりも、情緒的関与が低いと認識していた。次に、HAD-D(抑うつ)11点以上のDefinite casesと10点未満のNon-casesを比較したところ、Definite casesはNon-casesよりも、情緒的反応、情緒的関与、行動統制、全般的機能が低いと認識していた。 これらのことから、初産婦は経産婦に比べ家族機能は良好と認識しているものの、不安が高いことが明らかになった。妊婦の抑うつ及び不安には家族機能の情緒的側面が関連していることが傍証された。
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