2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890212
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松川 岳久 Juntendo University, 医学部, 助教 (60453586)
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Keywords | セレノメチオニン / ガスクロマトグラフィー質量分析計 / D-アミノ酸 / 安定同位体 |
Research Abstract |
D-セレノメチオニン(D-SeMet)の生体内動態を評価するための基礎的検討として、D-およびL-SeMetをガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)により分別定量する方法を検討した。 DL-SeMetのカルボキシル基を10%HCI/CH_3OHによりメチルエステル化後、アミノ基を光学活性な(+)α-methoxy-α-trifluoro-methyl-phenylacetyl chloride((+)MTPA-Cl)によりアシル化し、ジアステレオマーアミド誘導体とし、GC-MSで測定した。また、安定同位体標識したDL-[^2H_3,^82Se]SeMetをホモセリンラクトンから2ステップで合成し、内部標準物質として用いた。D-SeMetおよびL-SeMetの誘導体を、初期温度120℃、昇温40℃/分、最終温度250℃のGC条件で分析したところ、D体とL体は分析時間7分以内で良好に分離した(Rs>3.0)。L-SeMetのみを誘導体化してGC-MSで測定したところ、単一のピークが認められたことから、誘導化時にラセミ化が起きないことが明らかとなった。非標識体であるDL-SeMetならびに標識体であるDL-[^2H_3,^82Se]SeMetの誘導体を化学イオン化法(反応ガス:isobutane)により質量分析すると、それぞれ[M+H]^+が基準ピークとして検出された。非標識体ではm/z424から430にかけて主にSe同位体に由来する同位体分子イオンが観察されたのに対し、82Seを導入した標識体では同位体分子イオンが認められなかった。また標識体では2Hを3原子導入したことで非標識体に比べて5mass unit高質量となり標識体と非標識体との相互貢献を考慮する必要がないことから、D-およびL-SeMetを精度良く定量できることが期待できる。さらに、[M+H]^+をモニタリングイオンとして選択イオンモニタリング(SIM)分析を行ったところ良好な感度が得られ、本法がD-SeMetの生体内動態を評価するのに有用な方法であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)