2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890219
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
臼井 通彦 Showa University, 歯学部, 助教 (10453630)
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Keywords | Tob2 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨代謝 / 歯周組織 |
Research Abstract |
Tob2(Transducer of ErbB2 2)は細胞増殖抑制遺伝子ファミリーTob/BTG1ファミリーの一員であり、Tobと高いホモロジーを持つことが知られている。また、Tob2をNIH3T3細胞に強制発現させると細胞周期G0/G1期からS期への移行を阻害し細胞増殖を抑制することがしられているが、骨代謝並びに歯周組織におけるその発現・機能は不明である。本研究の目的は骨・歯周組織におけるTob2の発現・機能を明らかにすることである。まず、骨代謝に関与する骨芽細胞・破骨細胞におけるTob2の発現を細胞株・頭蓋骨から分離した初代培養細胞においてRT-PCR法にてmRNAレベルで確認した。骨芽細胞株MC3T3E1 cells及び初代培養細胞においてその発現を確認することができた。また、破骨細胞前駆細胞株Raw264.7細胞をRANKLで刺激することにより破骨細胞を形成させ、RNAを抽出しTob2の発現を確認したところ、骨芽細胞同様にその発現を確認することができた。次に骨芽細胞・破骨細胞の分化過程においてTob2の発現量が変化するか否かを観察した。MC3T3E1 cellsを石灰化誘導培地で培養し経時的にその発現を観察したが、上昇傾向はあるものの有意な差は見られなかった。次にRaw264.7 cellをRANKLで刺激し、破骨細胞分化過程におけるTob2の発現を観察したが、有意差は見出すことはできなかった。以上の結果よりTob2は骨芽細胞・破骨細胞に発現しているものの、その分化過程においてup-regulateされる分子ではないことが明らかとなった。さらにin vivoにおけるTob2の機能を明らかにするために、Tob2欠損マウスの解析を行った。骨における表現型を調べるために、大腿骨と頸骨を二次元μCT並びに組織切片において評価した結果、Tob2欠損マウスの骨量は野生型マウスに比較して、骨量が約30%低下していることが明らかになった。以上の結果より、Tob2は骨代謝・骨量の制御に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)