2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890219
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
臼井 通彦 Showa University, 歯学部, 助教 (10453630)
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 歯周組織 |
Research Abstract |
Tgb2(Transducer of ErbB2 2)は細胞増殖抑制遺伝子ファミリーTob/BTG1ファミリーの一員であり、Tobと高いホモロジーを持つことが知られている。また、Tob2をNIH3T3細胞に強制発現させると細胞周期G0/G1期からS期への移行を阻害し細胞増殖を抑制することがしられているが、骨代謝並びに歯周組織におけるその発現・機能は不明である。本研究の目的は骨・歯周組織におけるTob2の発現・機能を明らかにすることである。 平成20年度の研究の結果、Tob2欠損マウスは野生型マウスと比較して約30%骨量が減少することが明らかになったが、その詳細については不明であった。そこで、大腿骨骨組織切片を用いて骨形態計測を行い、骨形成面・骨吸収面の両面からTob2の役割について精査した。まず、骨組織切片においても、μCTにより計測された骨量の結果と同様に、tob2欠損マウスは野生型マウスに比較して有意に骨量が低下していた。さらに、骨形成面の指標であるObS/BS(骨芽細胞が骨面を覆う割合)を調べたところ、tob2欠損マウスと野生型マウスの間に有意な差は見られなかった。次に、骨吸収面の指標であるOcS/BS(破骨細胞が骨表面を覆う割合)とES/BS(破骨細胞により骨面を吸収された割合)を計測した。その結果、tob2欠損マウスのOcS/BSとES/BSは野生型マウスに比較して有意に上昇していた。以上のデータより、tob2欠損マウスの骨量の低下は破骨細胞による骨吸収の増加により引き起こされていることが示唆された。さらに、東京大学医科学研究所の安島らによりtob2はVitamin D receptorと結合する事とtob2が欠失した骨髄細胞においてVitamin D刺激によるreceptor of activator of NF-kB (RANKL)の発現が有意に増加することが明らかにされた。これらの結果より、tob2は骨代謝において骨芽細胞のRANKL発現をVitamin D receptorを介して抑制し、破骨細胞形成を負に制御していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)