2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市部多世代交流型デイプログラムにおける世代間交流を促進する支援の開発
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19890222
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
糸井 和佳 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 助教 (30453658)
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Keywords | 世代間交流 / 高齢者 / 子ども / 多世代共生 / 都市部 / 支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は、都市部の多世代交流型デイプログラムの参加者である高齢者と子どもとの世代間交流がどのような過程を経て形成されるかを質的に明らかにし、どのような支援が世代間交流を促進しているかを明らかにすることである。 会の中でおこる世代間交流の様相を明らかにする目的で、平成19年4月の発会当初から毎週1回の会を参加観察し、エスノグラフィーを参考に分析したところ、交流を表す12のカテゴリが抽出された。プログラムを通して高齢者と子どもがお互いに知り合い、高齢者が素直に子どもに感じたことを伝えたり、子どもの居場所を作って迎え入れることで、子どもの発言が増えている。次第に高齢者も子どもも自分の出来ることをしたり、6ヶ月を過ぎると自己主張したりと、主体的な行動が増える。プログラムによってはそれぞれの世代だけで固まる時もあり、スタッフは常に世代間の接点を模索してプログラムを運営し、この場の世代間交流を促進する働きをしていた。継続参加により、参加者同士が会の後で一緒に出かけたり、まちのなかで出会ったときに子どもから高齢者の名前を呼んだりと、お互いの交流が深まる様子が明らかとなった。 世代問交流を促進する支援を明らかにする目的で、会のスタッフならびに他の世代間交流施設の支援者にインタビューを行い、さらに世代間交流協会主催のワークショップにて意見交換を行った。支援者たちは、意図的に世代間交流プログラムを提供する必要性を感じ、大人も子どもも無理のない世代間交流の場作りや、プログラムの準備、地域行政や学校への交渉、子どもに焦点をあて、育ちのプロセスをありのままに受けいれるような交流支援、高齢者の健康に配慮することなどを行っており、多様な価値観を味わい、地域住民とともに子どもを育てていく意識を持つ必要性、世代間交流の効果のエビデンスを出し、世間にPRする必要性を感じていることなどが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)