2008 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAの細胞内輸送の分子メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
19890224
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中台 枝里子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (40453790)
|
Keywords | 線虫 / 核酸 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
線虫ではRNAiが組織間を伝播するsystemic RNAiという現象が知られている。これまでにSID-1と呼ばれる膜タンパク質がRNAiが組織・細胞を越えて伝播するために必須であるという重要な知見が報告されている(Hunter et al, Science2002)。本研究では、まずSID-1の本来の生理機能を明らかにすることを目的として、以下の実験を行った。 (1)新規sid-1遺伝子欠失変異体の分離。変異体の分離は欠失変異をランダムに導入し目的とする欠失変異をPCRでスクリーニングするTMP/UV法を用いた。合計3アリル分離した。いずれもエクソン領域を大きく欠損していることから、機能欠損変異体であると考えている。 (2)sid-1ホモログ遺伝子の同定と遺伝子欠失変異体の分離。線虫にはsid-1と高い相同性を持つ遺伝子が一つ存在する。両遺伝子が冗長的に働く可能性を考え、ホモログ遺伝子の欠失変異体を2アリル分離した。またsid-1遺伝子との二重変異体を作製した。 (3)表現型の解析。まずsid-1変異体およびホモログとの二重変異体については、Hunterらの報告どおりsystcmic RNAiが起こらないことを確認した。発生や成長速度については野生型N2株と比較し顕著な差はみられないため、より詳細な表現型解析を行うべく、種々のトランスジェニックマーカーの作製、導入を進めている。 本研究課題の遂行により、sid-1関連遺伝子の遺伝的に安定した株が得られ、トランスジェニック解析を駆使した各々の蛋白質の機能解析を行なうための基盤作りができたと考えられる。
|