2007 Fiscal Year Annual Research Report
塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカインの局所麻酔効果
Project/Area Number |
19890229
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
筒井 友花子 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 助教 (20434144)
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Keywords | α2受容体作動薬 / 塩酸デクスメデトミジン / 塩酸リドカイン / 活動電位 / 脱分極相時間 / ラット坐骨神経 / Na^+チャネル / K^+チャネル |
Research Abstract |
末梢神経において塩酸デクスメデトミジン(DEX)が塩酸リドカインの局所麻酔薬効果を増強させるかどうかを決定するため、活動電位(AP)と脱分極相時間(DDP)を用いて調べた。 α_2受容体作動薬であるDEXは塩酸リドカインの麻酔効果を増強することは広く知られている。しかし、その作用機序は中枢性の鎮痛作用によるものか、血管収縮作用であるものか、あるいは末梢神経の機能を直接抑制するものか明らかでない。今回われわれは、摘出したラット坐骨神経を、プラスチック製のチャンバー上に置き、刺激電極と記録電極により、活動電位を記録した。ラット坐骨神経にDEXを作用させたところ用量依存性に活動電位を抑制すること、またDEXのEC_<50>は10μMであることを明らかにした。さらに同様の方法で決定した塩酸リドカインのEC_<50>(100μM)にDEX10μMを添加したところ、活動電位はコントロールの18.3±8.0%に減少した。したがってDEXは塩酸リドカインの麻酔作用を強化すると考えられた。また、K^+チャネルの開口状態を反映するDDPが有意に減少したことから、活動電位抑制作用にはK^+チャネルが関係している可能性が高いと考えられた。さらに、DEX添加塩酸リドカインを洗浄すると洗浄2分後にはコントロール値と同等までに回復したことから、作用の可逆性が認められた。今回の結果から、DEX添加塩酸リドカインは新しいタイプの局所麻酔薬になりうると考えられた。
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