2009 Fiscal Year Annual Research Report
塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカインの局所麻酔効果
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19890229
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
筒井 友花子 (中野 友花子) The Nippon Dental University, 生命歯学部, 助教 (20434144)
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Keywords | 塩酸デクスメデトミジン / 塩酸リドカイン / 活動電位 / 局所麻酔 / α_2受容体作動薬 / ラット坐骨神経 |
Research Abstract |
(緒言)α_2受容体作動薬である塩酸デクスメデトミジン(DEX)を添加したリドカインは麻酔効果を増強し、作用時間も延長する。一般に、2種類の薬剤を併用投与し、薬理作用が増強する場合には、相加効果と相乗効果の2つが考えられる。相加効果は作用機序が同じ場合に観察され、併用によっても両者の和以上の反応は得られない。一方、相乗効果は作用機序の異なる薬剤を併用した場合に認められ、両者の和以上の反応が観察される。したがって併用薬剤の効果が相加的か、あるいは相乗的かを明らかにすれば至適投与量の決定のみならず作用機序の解明にも役立つと考えられる。そこで今回われわれは、両者を併用した場合の活動電位(AP)抑制効果の50% Effect Concentration(EC_<50>)を決定し、さらにIsobologram解析を行ない、効果増強の機序を検討した。(方法)Wistar系雄ラットを使用した。摘出したラット坐骨神経にリドカイン、DEX、リドカイン+DEX混合液を作用させた。末梢側に接触させた刺激電極より刺激を加え、中枢側から導出したAP波形を記録した。(結果)EC_<50>は、リドカイン95.63μM、DEX12.19±1.07μM、リドカイン37.08μM+DEX3.67μMであった。DEXとリドカインのEC_<50>からIsobologramを作成し、DEXとリドカイン混合液のEC_<50>をIsobologram上に示した。その結果、Isobologram上でリドカイン+DEX混合液のEC_<50>がadditive lineより下方に存在し、DEX添加リドカインは相乗的な鎮痛効果を有することが示された。(考察)リドカインとDEXは相乗的なAP抑制作用を示すことが明らかとなった。これは両薬剤の末梢神経に対する作用が異なるためだと考えられた。以上より、DEX添加リドカインは新しい局所麻酔薬になりうると考えられた。
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