2007 Fiscal Year Annual Research Report
一人暮らし高齢者に対する抑うつ予防プログラムの開発
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19890239
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
堀田 幸 The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing, 看護学部, 助手 (70454452)
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Keywords | 抑うつ / 独居高齢者 |
Research Abstract |
本研究の概要:本研究の目的は,都市部で生活する一人暮らし高齢者が抑うつ状態に陥る背景要因を明らかにし,その要因をもとに都市部における抑うつ予防プログラムを開発することである。 本年度は,都市部在住一人暮らし高齢者の抑うつの背景要因を明らかにするために,自記式質問紙調査を実施した。 調査の概要:対象は,名古屋市A区社会福祉協議会が独居高齢者の閉じこもり予防を目的として実施する「高齢者ふれあい給食会(以下,給食会)」の参加者240人である。平成19年9月に,給食会会場にて対象者に口頭で調査の説明を行うとともに,依頼文書および調査票を配布し,個人が特定されないよう郵送にて回収した。 調査内容:抑うつの評価は,Geriatric Depression Scale(GDS)短縮版を用いた。抑うつの背景要因として,身体的要因は治療中の疾患の有無と生活習慣,心理的要因は主観的健康感と趣味や生きがいの有無,社会的要因はソーシャルサポート,ソーシャルネットワーク,閉じこもりについて尋ねた。 調査結果:男女121人(男性18人,女性103人)の研究協力を得ることができた。対象者の平均年齢は,78.3歳であった。GDS得点の平均値は,5.42±3.7であり、抑うつ出現率は農村の高齢者および同居高齢者に比べて高い傾向がみられた。抑うつを規定する要因をみた結果,心理的要因では「主観的健康感」,「趣味や生きがいの有無」,社会的要因では「閉じこもり」,「ソーシャルネットワーク」が抑うつ得点の規定要因であることがわかった。抑うつがみられる高齢者は,心理的・社会的に低水準の者が多く、抑うつ予防を行ううえで,心理的,社会的アプローチの双方から,独居高齢者の精神健康増進に向けた具体的な介入プログラムの検討が必要があると考えられた。平成20年度は,これらの要因に着目しながら,抑うつ予防プログラムの試案づくりに取り組む。
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