2008 Fiscal Year Annual Research Report
ICタグ活用によるADHD児の集団生活における安全管理の可能性に関する研究
Project/Area Number |
19890240
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
守口 絵里 Meiji College of Oriental Medicine, 看護学部, 助手 (70454535)
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Keywords | ADHD / ICタグ / 集団生活 / 安全管理 / 軽度発達障害 |
Research Abstract |
本研究では、疾患の有無を問わず一般の保育園に通う子どもを対象としてRFIDシステムを用いた実験を行った。園外での散歩時にアクティブICタグを園児に装着し、子どもを引率する保育士がアンテナを保持した。アンテナを持つ保育士から半径約10m以上離れるとアラームが鳴り、そのことがコンピューターのモニターで確認できる。10人の子どもの集団に対して5回実験を行った結果、保育士の背後にいる子どもが離れた際に保育士がその情報をすぐにキャッチできるという点で本システムは有用であった。しかし、1集団あたりの子どもの人数が10人と少ないため保育士の目が比較的行き届きやすく、子どもが危険行動に及ぶことがなかった。また、離れた子どもをコンピューターの画面で確認する煩わしさも見受けられた。 保育士のニーズとしては、遠足のようにさらに大きい集団を引率する必要がある場合に、子どもの活動範囲も拡大するため有効であろうとのことであった。ただし、本実験のように研究者が同行しない状況下で使用するためには、アンテナを簡易に保持できることが求められる。 ADHDを幼児期から鑑別することは難しい例が非常に多い。本研究の対象者にもADHD児は含まれていなかったため、ADHD児にとってのRFIDシステムの有用性についての確認はできなかったが、アラーム信号の頻度から多動性を推測し、経時的に子どもの行動をフォローアップすることは可能であると考える。
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