2008 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞前駆細胞のトランスマイグレーションに細胞接着分子が及ぼす影響
Project/Area Number |
19890243
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
堂前 英資 Osaka Dental University, 歯学部, 助教 (50454559)
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Keywords | 破骨細胞 / トランスマイブレーション / 細胞接着 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
骨芽細胞と骨髄由来細胞との共培養では効率的に破骨細胞が形成される。この培養皿を観察すると、破骨細胞の上に骨芽細胞の層が存在する。骨表面は骨芽細胞によって覆われているため、破骨細胞が骨を吸収するためには骨芽細胞を押しのけるかあるいはトランスマイグレイトすることが必要になると考えられる。近年、骨芽細胞は造血幹細胞の維持、あるいはB細胞の分化に必須のニッチを形成することが明らかとなった。本研究では、骨面に接着した破骨細胞の周囲を破骨細胞に特異的な微小環境として捉え、破骨細胞前駆細胞は分化に先立って、骨芽細胞層をトランスマイグレイトするのかを明らかにし、関与する分子の同定を試みた。まず破骨細胞に分化することが知られている細胞株RAW264を用いて破骨細胞分化因子であるsRANKLを添加することによって細胞の接着・運動に関わることが知られている細胞内シグナル伝達分子の検討を行った。その結果、sRANKL刺激によりFocal adhesion kinase(FAK)がリン酸化されることが明らかとなった。さらにRAW264にフィブロネクチンによる細胞接着刺激を加えると、FAKの397番目のチロシンがリン酸化され、さらに共刺激としてsRANKLを加えるとFAKの861番目のチロシンがリン酸化されることが明らかとなった。FAKのロスオブファンクションの影響を検討するためにBLOCK-iT Pol II miR RNAi ExpressionシステムによるFAKのサイレンシングを行った。FAKのサイレンシングでは破骨細胞分化の抑制はみられなかった。以上の結果からsRANKL刺激により破骨細胞分化とは別に細胞接着および運動に関わる分子が活性化されることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)