2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱プラズマCVDによるジルコニア系傾斜化複層機能材料の開発
Project/Area Number |
19890244
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
西田 尚敬 Osaka Dental University, 歯学部, 助教 (70448116)
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Keywords | セラミックス / スパッタリング / コーティング / ジルコニア / アルミナ |
Research Abstract |
セラミックス材料に関しては,最近では従来のセラミックスよりもはるかに高い強度をもつジルコニア系の材料をクラウンやブリッジ内層のフレームに用いることにより,臼歯部でも破折しにくいオールセラミック修復が可能になっている。しかし,ブリッジのように連結部に大きな歪が生じる部位で使用するには信頼性が低く,金属がもつ優れた機械的特性をセラミックスで補うには不十分な点が残るのが現状である。そのため,より高強度,高靭性を兼ね備えた材料が求められる。 そこで今年度ではZrO_2とAl_2O_3を積層し複合化することにより曲げ強度および破壊靱性の向上を期待して、スパッタリング法を用いて複層成膜し、機械的特性評価を行った。 出発原料には3Y-TZP(東ソー)を用いて1450℃、大気中で焼成し基板となるバルク体を作製した。反応性マグネストロンスパッタを用いて基板上にAl_2O_3膜を製膜し、さらに製膜温度800℃でYSZの製膜を行い積層した。スパッタガスにはO_2を用い、製膜圧力は0.1Paで行った。製膜後の評価に、X線回折により結晶の配向性評価を行い、SEMによる表面観察を行った。また機械的特性評価として曲げ強度、硬度、破壊靱性を測定した。 X線回折では、Al_2O_3、YSZともにピークが強く結晶性が優れていることがわかった。また、SEM観察によりAl_2O_3膜は約1μm、YSZ膜は約60nmであった。膜表面は殆ど平らであった。曲げ強度は製膜前と製膜後では有意差が認められるほど差はみられなかった。硬度、破壊靱性に関しても差は認めなかった。剥離強度も低く、曲げ強度、破壊靱性を向上させるには膜厚を厚くし剥離強度を上げる必要があり、そのためには製膜条件の最適化を行う必要がある。
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Research Products
(2 results)