2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890252
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
塚本 効司 Hyogo University of Health Sciences, 薬学部, 助教 (00454794)
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Keywords | 分析化学 / 分子認識 / 可視化 |
Research Abstract |
グルタミン酸は生体内において神経伝達物質としてはたらく一方、種々の神経変性疾患を引き起こすと考えられており、生体内において極めて重要な物質である。しかしながら、生体内におけるグルタミン酸の動態や作用メカニズムに関しては不明な点が多い。それらを解明するには、生きた細胞内においてグルタミン酸を可視化計測する必要があるが、そのようなツールは未だ開発されていない。以上より申請者は、グルタミン酸を特異的に認識して蛍光を発する蛍光プローブを開発することとした。 グルタミン酸蛍光プローブとして、グルタミン酸レセプター構造と蛍光色素とを結合させ、グルタミン酸を受容すると蛍光応答が生じるような分子を設計した。本年度はプローブ分子中のグルタミン酸レセプター構造の合成およびそのグルタミン酸結合能の評価を行った。設計した構造だけでなくその誘導体を種々合成し、それらのグルタミン酸結合能をNMRで調べたところ、2つのグアニジノ基が適切な距離で配置された分子がグルタミン酸と強く結合することが明らかになった。また、その分子の水溶性が高いことも明らかになり、生体への応用を指向したプローブ分子の基礎構造として適切な化学的性質を有していると言える。現在は、開発したグルタミン酸レセプター構造に蛍光色素を導入する合成的手法の確立を進めている。今後は様々な蛍光色素を有したプローブ分子を合成し、それらの機能評価を行うことにより、最も優れたプローブ分子を見つけ出す予定である。
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