2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890252
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
塚本 効司 Hyogo University of Health Sciences, 薬学部, 助教 (00454794)
|
Keywords | 分析化学 / 可視化 / 分子認識 |
Research Abstract |
生体内におけるグルタミン酸の動態や作用メカニズムの解明を目的として、グルタミン酸を特異的に認識して蛍光を発する蛍光プローブの開発を昨年度に引き続き行った。 昨年度は、グルタミン酸蛍光プローブのグルタミン酸認識部位として、2つのグアニジノ基を有するグルタミン酸レセプター分子を設計し、合成した。その分子はジメチルスルホキシド等の有機溶媒中ではグルタミン酸と強く結合するものの、水中ではほとんど結合しないことが分かった。このため、水中でも機能するようなグルタミン酸レセプター分子の設計を再度、以下のように行った。 1 前述のグアニジノ基を有する分子に対して、グルタミン酸とさらに水素結合するような官能基を追加する 2 グアニジノ基を他の窒素官能基に置き換える(アミド、ピロール環等) 3 グルタミン酸が配位するような遷移金属原子を組み込む 以上のような設計を基にレセプター分子を種々合成しグルタミン酸結合能を調べた結果、亜鉛を組み込んだレセプターが水中において最も良い結果を与えた。さらに、その構造に蛍光色素である9-アミノメチルアントラセンを組み込んだ分子の溶液に、グルタミン酸やその他のアミノ酸を加えて蛍光強度の変化を測定したところ、グルタミン酸を加えた場合の蛍光強度変化が他のものよりも有意に大きく、合成した分子がグルタミン酸蛍光プローブになることを示した。 今回開発した分子はグルタミン酸認識能や蛍光特性にまだ問題を残しているものの、今後改良を重ねることによって、グルタミン酸イメージングに応用できるプローブになるものと期待できる。
|