2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890273
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
黒田 有希子 The Institute of Physical and Chemical Research, 賠生神経生物研究チーム, 研究員 (70455343)
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Keywords | シグナル伝達 / 発生・分化 |
Research Abstract |
申請者は現在までの実験結果からIP_3R結合タンパク質の一つであるIRBITがカルシウムシグナルに影響を与えている可能性が高いと考え、IRBITの発現量をsiRNAによってノックダウンした際の細胞内カルシウム動態をリアルタイムで観察した。その結果、IRBITをノックダウンすると破骨細胞分化因子RANKLによって誘導されるカルシウムオシレーションの始まるタイミングが早まる傾向があることを見いだした(preliminary data)。このことはIRBITが破骨細胞分化誘導時のカルシウム動態に深く関わっている分子であること、また、IRBITを中心に解析を進めて行くことでカルシウム動態制御機構の解明に繋がることを強く示唆する重要な実験結果である。 さらに、申請者は破骨細胞分化時、および未分化時にそれぞれ特異的にIRBITに結合するタンパク質をスクリーニング(MS解析)した。解析結果から選んだ候補タンパク質についてクローニング、IRBITとの結合の確認、相互作用部位の特定などを行ない、最初に選んだいくつかの候補タンパク質はIRBITと直接結合することが明らかとなった。この結果から、今回行なったスクリーニングがIRBIT結合タンパク質のスクリーニングとして成功していることが示された。今後は、破骨細胞内在性の候補タンパク質の発現量や細胞内局在の変化を観察したいため、まず抗体作製を行なっている。今後は、これらの候補タンパク質が細胞内カルシウム動態および破骨細胞分化に与える影響の観察を進めていき、この2つの現象に大きく影響を与える分子について深く解析を進めて行く予定である。
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