2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890282
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大竹 貴光 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 計測標準研究部門, 研究員 (60443173)
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Keywords | 残留農薬 / 食品 / 分析 / 米 / 加圧流体抽出(PLE) / モニタリング |
Research Abstract |
本申請研究は、主に国内で流通する数種類の米に含まれる農薬類を分析し、濃度レベルをモニタリングすることを目的とする。今年度は、モニタリング調査を行うための準備、検討を行った。 1.農薬および米の選定 農薬類および米試料は、論文などの情報を元に選定した。農薬類に関しては、ヒトへの健康影響が懸念され、使用量が比較的多いとされる農薬8種(fenitrothion, malathion, diazinon, chl0ropyrifos, fthalide, isoprothiolane, fenobucarb, etofenprox)を選定した。米試料は、市販されている中で生産地の異なるもの数種を選択した。 2.農薬分析法の適用可否の確認 米試料中の農薬類分析は、一般的に抽出、精製といった前処理工程を経て、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCIMS)などの機器により測定を行う。米試料中の農薬類分析法については、すでに申請者らにより農薬4種に対して分析条件が最適化された、加圧流体抽出法(PLE)を用いた分析法が存在する。しかしPLEは高温、高圧条件下で目的物質を抽出する方法であることから、本研究において選択された農薬8種が種類によっては熱に弱いなどの理由で分析中に分解し、PLEを用いると精確な分析値を得られない可能性が考えられた。そこで添加回収試験により、PLEを用いた分析法が米試料中農薬8種に対して適用できるか否かの検討を行った。その結果、78.4-116%(平均値;n=3)という良好な回収率を得ることができ(PLE条件:温度=130℃,圧力=10 MPa,時間=10分×2サイクル)、本研究で対象とした8種についてもPLEを用いた分析法が有効であることが示された。今後、このPLEを用いた分析法により米試料申農薬類のモニタリング調査を進めていく予定である。
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