2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19900001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金沢 敏彦 The University of Tokyo, 地震研究所, 教授 (30114698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 直 東京大学, 地震研究所, 教授 (90156670)
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90242172)
笠原 稔 北海道大学, 理学研究院, 教授 (40001846)
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70242154)
岩田 知孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80211762)
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Keywords | 海底地震観測 / 能登半島地震 / 海底活断層 / 高密度観測 / 機動観測 / 震源断層 / 余震分布 |
Research Abstract |
平成19年(2007年)3月25日に石川県で最大震度6強を観測し甚大な被害を伴った能登半島地震(マグニチュード6.9)が発生した。能登半島とその周辺では1600年以降マグニチュード7を超える地震はこれまでに知られていないが、能登半島西方沖海底には北東-南西方向に延びる長さ約20kmの南東傾斜の逆断層が活断層として確認されていた。被害まで含めた今回の地震の活動を正確に把握することによって能登半島地震と海底活断層の関係、甚大な被害の発生要因等を明らかにすることは、今後の地震防災に資する。このため、海・陸における余震活動調査を初めとして、GPSを用いた地殻変動調査、電磁気観測による地殻活動調査、災害調査・強震観測による強震動発生特性調査を実施した。 余震域は陸域のみならず能登半島西方沖海底下にも拡がっていた。陸域の地震観測網から海底下の地震活動を正確に把握することは困難であるため、12台の自己浮上式海底地震計を4-10km間隔で余震域に設置し、直上観測を実施した。また、能登半島上に85台の可搬型地震観測装置を2-6km間隔で設置することによって、従来になく高密度・大規模な海・陸統合余震観測を実施した。求めた高精度な3次元余震分布の位置・形状・拡がりは、能登半島西方沖で確認されていた北東-南西方向に延びる約20kmの南東傾斜の海底逆断層が能登半島地震の震源断層であることを明らかとした。後に実施された屈折法・反射法構造探査から求められた海底活断層の深部延長も、この結果を支持している。この他の調査によって、余効変動、電磁気学的地下構造、断層面上のすべり運動が明らかとなった。 能登半島地震の震源断層と海底活断層の深部延長との対応付けができたことは画期的な成果である。今後の地震防災上、海底活断層を慎重に考慮する必要があることも明らかになった。
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Research Products
(39 results)