2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19900005
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 信博 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40200729)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 竜也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20282353)
和田 淳 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30294408)
池内 健 新潟大学, 脳研究所, 助教 (20372469)
荒井 秀典 京都大学, 大学院医学研究科, 講師 (60232021)
松原 久裕 千葉大学, 医学研究院, 教授 (20282486)
|
Keywords | 臨床医学研究 / 基礎医学研究 / トランスレーショナルリサーチ / 科学研究費 |
Research Abstract |
本調査研究の目的は、日本の臨床医学研究の現状を客観的データとして把握し、将来のトランスレーショナルリサーチ推進に資する臨床医学研究推進の改善策を考案する事である。具体的には、下記5項目の調査研究を行った。 【1】2000-2008年までに発行されたライフサイエンスの学術論文(基礎研究系21国際誌、80959論文)、臨床系30国際誌、69562論文)を国別に分類した。日本の基礎研究は4位にランクされたが、臨床研究は総合臨床誌6誌に限定すると、12位と非常に低いことが明らかになった。 【2】臨床系のトップジャーナルであるNEJM, Lancetに論文を掲載している約3000人の世界の研究者にwebベースでアンケートを行い224名から回答を得た。 【3】2009-1月〜2月にかけて世界12ヶ国の50人の臨床研究者と直接面談し、世界の臨床研究者がどの様な意識を持っているかを直接面談してインタビューを行った。 【4】日本の臨床研究者へのWEBアンケートを行い423名から回答を得た。 【5】日本の臨床研究者との意見交換シンポジウムを2008-4/11と2008-3/20の2回開催した。 【提案の小括】イノベーション25で策定している様に、日本は20年後のバイオ立国を目指しており、その日本において、高額医薬品の費用が外国に流失していく事は経済的に見ても非常に危機的な事態である。日本の基礎生物医学研究の資源をTRを経て臨床医療に還元する仕組みの構築は、緊急の課題として推進されるべきである。しかし、"臨床研究が進んでいる欧米"で構築されたシステムを模倣しても、文化、歴史、哲学、制度が全く異なる日本の臨床研究を推進する事にはならない。日本には、臨床研究家も基礎研究に非常に明るいという世界でも例を見ない優れた特徴があり、この事を十分に考慮した上で一部の臨床医学の人的、経済的資源を臨床研究の推進に充てる必要があると考える。また、省庁の縦割り行政が臨床現場での研究推進を妨げている大きな要因と考えられ、この事に対する制度的な対応も重要なポイントであると考える。
|