2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring Local Marine Resources as Instructional Materials in Science in Japan and the Philippines
Project/Area Number |
19F19014
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松浦 俊彦 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50431383)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TUPAS FERNAN 北海道教育大学, 教育学部, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | 海洋資源 / 理科教育 / 科学教育 / フィリピン / 国際教育協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、地域の海洋資源を教材化することを中心に据え、地域の海洋資源調査、理科カリキュラムの見直し、現場教員のインタビュー、教材の動画説明の制作、指導案づくり、研修会の開催、受講した生徒の学力調査、成果の発表などを行う。特に、教材開発では、地域特性を生かした海洋資源の選択と、安価もしくはリサイクル素材を積極的に採用して、世界的な普及を視野に研究開発をすすめる。本研究は海に囲まれた島国というフィリピンと日本の共通点を科学教育分野の視点から研究をすすめ、両国の地域特性を有効に活用した革新的なアプローチと言える。さらに、身の回りのものに着目して授業を展開できる理科教育を突破口にすることで、アジアをはじめ、ポリネシア、メラネシア、ミクロネシアなどの多くの島国諸国でも適応しやすく、本研究の成果は世界的な普及が見込まれる。将来的には我が国の国際教育協力の新しい指針の一助となりうる。 初年度である2019年度は主に、地域の海洋資源調査、教材の制作、現場教員のインタビュー、理科カリキュラムの見直し、成果の発表などを行った。具体的には、函館市およびフィリピン・イロイロ市周辺の沿岸部をモデル地域としてフィールド調査を行い、生物資源や鉱物資源等の海洋資源を調査・採取し、理科教材に適した天然素材を探索した。特に、教材開発では安価な素材を積極的に採用し、世界的な普及を視野に開発をすすめた。また、プレ教材を制作した。現場教員のインタビューでは、日本およびフィリピンのK-12教育課程に応じた教員を対象に、理科教材の状況やニーズ等を聴取して教育現場の実情を把握した。開発した教材が学習指導要領に準拠するかについても調査し、学校レベルでの理科カリキュラムの見直しを検討した。得られた研究成果は学術論文の執筆や学会での発表を行い、研究の成果を広く発信した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画通りに実施できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症の拡大防止の影響で、4月現在、フィールド調査地であるフィリピンへ渡航できないため、進捗の遅れが予想されている。また、学校現場も外部人材の受け入れを拒否しているため、調査ができない。初年度とは大きく異なる状況で研究を遂行しなければならないが、できることから着実に研究をすすめていきたい。
|