2019 Fiscal Year Annual Research Report
Petrology and tectonics of the Central Asian Orogenic Belt
Project/Area Number |
19F19020
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
角替 敏昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50252888)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU QIAN 筑波大学, 生命環境系, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | 中央アジア造山帯 / タリム地塊 / ジルコン年代 / 変成作用 / 火成作用 / 大陸衝突 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国北西部のタリム地塊およびその周辺地域の岩石について詳細な岩石学的研究を行い、パレオテチス海の閉塞にともなう造山運動のテクトニクスを解明することである。これは、世界最大の大陸であるアジア大陸の形成プロセスを議論する上で、その大部分を占める中央アジア造山帯の形成時代とテクトニクスを理解することは、当該大陸の成長過程のみならず、地球史における超大陸の形成および分裂プロセスの理解につながるためである。 初年度である令和元年度は、特にタリム地塊北部・Altyn Tagh地域の砕屑性ジルコン年代の分析を行った。その結果から当該地域に広く分布する堆積岩が4.7~4.6億年前の短期間に堆積したことを明らかにした。これはパレオテチス海の一部 である北Altyn海の閉塞時期を意味しており、既存のデータと組みわせることにより、パレオテチス海は5~4.2億年前に段階的に閉塞した(つまり大陸が衝突した)ことを意味している。 以上の研究成果は、1編の査読付き国際雑誌への学術論文掲載と、2件の国際学会における研究発表により報告した。また、当該地域よりも南方に位置する堆積岩についても同様の手法を適用して研究を行い、同様の4.6~4.3億年前の形成年代が得られている。この成果について年度内に論文としてまとめた。 なお、本研究の一環としてタリム地域の地質調査を計画し、翌年度の研究のために必要な岩石試料の採集を試みた。しかし現地の悪天候のために広範囲の地質調査を実施できず、そのため研究費の一部を翌年度に繰り越した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度内に1編の査読付き国際雑誌への学術論文掲載と、2件の国際学会における研究発表を実施したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きタリム地塊北部・Altyn Tagh地域の岩石的・年代学的研究をすすめ、当該地域の形成プロセスを明らかにする。また、このような大規模な海洋の閉塞にともなう大陸衝突型造山運動の汎世界的特徴を理解するため、アフリカ南部などにみられる先カンブリア時代の造山帯のテクトニクスを検討し、両者の比較を行う。
|
-
[Journal Article] Detrital zircon U-Pb-Hf isotopes of middle Neoproterozoic sedimentary rocks in the Altyn Tagh orogen, southeastern Tarim: Insights for a Tarim-South China-North India connection in the periphery of Rodinia2020
Author(s)
Liu, Q., Zhao, G., Li, J.H., Yao, J.L., Han, Y.G., Wang, P., Tsunogae, T.
-
Journal Title
Lithosphere
Volume: 2020, Article ID: 8895888
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-