2019 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン・アップコンバージョンを示すソフトナノマテリアルの創出
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19F19050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楊井 伸浩 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90649740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MALLICK ARIJIT 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-07-24 – 2021-03-31
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Keywords | フォトン・アップコンバージョン / 励起三重項 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高効率なフォトン・アップコンバージョンを示すナノマテリアルを構築することを目指す。アップコンバージョンは長波長光を短波長光に変換する現象であり、有効に使われていない低エネルギー光を利用することで光触媒の効率を飛躍的に向上させる可能性がある。太陽光程度の弱い光でアップコンバージョンを起こすには分子系が有力であり、1)増感剤から発光分子への三重項エネルギー移動、2)発光分子間での三重項-三重項消滅による一重項生成と蛍光発光、により起こる。本年度は高効率なアップコンバージョンを達成するため、共有結合により発光性色素を連結した集合構造を構築し、その構造と物性の相関を理解することを試みた。更には、配位結合により形成される多孔性金属錯体を用いて近赤外光から可視光へのアップコンバージョンを起こす研究において、三重項増感剤を凝集させずに発光体からなる多孔性金属錯体中へと導入する合成条件を見出すことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、発光体を連結することにより集合構造を構築し、分子集合構造とフォトン・アップコンバージョン物性との相関について理解を深めている。更に研究室内の共同研究において、多孔性金属錯体を用いた近赤外ー可視アップコンバージョンの実現に合成面から大きく貢献した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで構築したアップコンバージョンを示す色素集合構造を単結晶構造解析により解明することに引き続き取り組む。また、ナノマテリアル中に励起三重項を自在に発生できる技術を活かし、アップコンバージョン以外の励起三重項機能についても併せて検討を行う予定である。
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