2020 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン・アップコンバージョンを示すソフトナノマテリアルの創出
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19F19050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楊井 伸浩 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90649740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MALLICK ARIJIT 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-07-24 – 2021-03-31
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Keywords | 励起三重項 / 光物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、配位結合をベースとしたナノマテリアルの構築に基づき、フォトン・アップコンバージョンを始めとした光機能の発現を目指している。実際に色素部位を密に集積した多孔性金属錯体を合成し、近赤外域に一重項―三重項遷移(S-T吸収)を示すオスミウム錯体を三重項増感剤として凝集させることなく導入し、ガラスマトリックス中に分散させることで、近赤外光から可視光へとアップコンバージョンする固体材料の創出に成功した。 更に多孔性金属錯体の高い結晶性と比表面積を活かし、励起三重項を偏極源とした動的核偏極への展開も行った。動的核偏極を行う上では、生成した核偏極を蓄積するためにホストマトリックスとなる多孔性金属錯体のプロトンの緩和時間が長い必要がある。様々な構造の多孔性金属錯体を合成してプロトンの緩和時間を比較し、多孔性金属錯体としてはこれまでで最も長い緩和時間を達成した。このメカニズムについて知見を得るため、多孔性金属錯体の配位子を重水素化して重水素固体NMR測定を行ったところ、運動性が高い多孔性金属錯体ほどプロトンの緩和時間が長くなっていることが分かった。すなわち、多孔性金属錯体をナノ偏極場としてナノ細孔中に取り込んだ水分子や多様な生体分子を高核偏極化し、それらの高偏極化したゲスト分子を放出してNMRによるタンパク質の構造解析やMRIによる腫瘍組織のイメージングに繋げていく上で、非常に重要な設計指針を得ることが出来た。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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