2019 Fiscal Year Annual Research Report
New imaging technique developed by analysis of magnetization dynamics of magnetic nanoparticles
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19F19062
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹村 泰司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30251763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRISNANTO SUKO BAGUS 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 磁化ダイナミクス / 磁気粒子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気粒子イメージング(MPI: Magnetic Particle Imaging)において、その検出感度や画像の分解能に影響する磁性ナノ粒子の交流磁界に対する応答を測定評価した。装置の制限から印加する交流磁界の強度・周波数の上限があるものの、現状で測定可能な範囲においては、磁性ナノ粒子のブラウン緩和及びネール緩和を分離して観測可能である。測定試料としては、粒子が液中に分散する液中試料、並びに粒子を寒天やエポキシ等に固定させた固定試料の2通りを用いた。得られた測定結果から、血管造影においては液中試料においてブラウン緩和及びネール緩和が重畳して生ずる現象として、腫瘍内部では固定試料のネール緩和のみ生じる現象として、それぞれ体内環境を想定し、磁気粒子イメージングでの特性を明らかにした。 体内に集積する微量の磁性ナノ粒子を検出する方法についても、実験・理論の両面から検討を進め、従来用いられている直流磁界と交流磁界の組み合わせとは全く異なる磁界印加方法を考案することに至った。これは、従来、直流磁界で傾斜磁界を発生させていたが、これを交流磁界として、さらにバイアス磁界としてだけでなく、磁化の信号を検出する変調信号としても活用することを提案した。また従来は変調信号として用いてきた交流磁界は、キャリア信号とする方法である。これにより観察範囲は制限されながらも、サブmmオーダーの高空間分解能が達成されることを実証した。この成果は、Applied Physics Letters, 115, 123101 (2019)に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
磁化ダイナミクスについては、ブラウン緩和とネール緩和の分離観測など、当初計画とおりの研究成果を得た。さらに1ステップ先の課題として、磁気粒子イメージングにおける新しい磁界印加方法を考案したため。
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Strategy for Future Research Activity |
磁気粒子イメージングに用いる印加磁界の条件(交流磁界の強度・周波数、及び直流磁界の強度・磁界勾配)と検出感度・空間分解能との相関を提示することを目標にする。それにより、磁性ナノ粒子の検出方法の最適化を図るとともに、その磁界条件と検出方法に最適な磁性ナノ粒子の粒径や磁気特性を明らかにする。
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Research Products
(2 results)