2019 Fiscal Year Annual Research Report
多パラメータ多地点同時計測のための高感度光ファイバセンサの研究
Project/Area Number |
19F19069
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 信夫 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (60170461)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU YI-LIN 徳島大学, 理工学研究部, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | ファイバセンサ / ファイバ・ブラッグ・グレーティング / シリコンコア・ファイバ / 表面プラズモン / 光無線通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然災害による地震、地滑りや火山活動、あるいは建造物の老朽化による劣化など多地点のセンシングシステムの開発は年々、重要度を増してきている。本研究では、遠隔地のリモートセンシングへの適用が期待できる光ファイバに複数のセンシング部を組み合わせた多地点同時計測可能な高機能で高感度な光センシングシステムの研究開発を目的としている。センシング対象として、固体、液体や気体等のセンサ部環境の物理パラメータである屈折率、温度、湿度、圧力、張力あるいはガス濃度等の計測をめざす。また、センシング信号の自由空間伝送に有用となる室内等短距離自由空間における光無線通信システムについても研究を行っている。 光センサとして、主として2種類のセンサを検討した。一つ目はファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)を用いたセンサである。とくに、二つのFBGを長周期のFBGを組み合わせたセンサシステムを設計した。本システムでは、液体の屈折率、液体深さ、および液体温度等の3つの異なるパラメータの同時計測が可能である。実験により、センシング感度は、それぞれ-43.7nm/RIU、 -0.0102nm/cm、0.3863nm/oCであった。さらに、本センサを用いた多地点計測への適用をシミュレーションにより検討し、4地点でのセンシングがかのうであることを明らかにしている。 二つ目のセンサはシリコンコアのファイバを用い、表面プラズモン共鳴を用いた屈折率センサである。本提案のセンサは他に報告例がほとんどない新しい構造である。これまで、シミュレーション解析により3600nm/RIUの屈折率センシング感度が得られることを明らかにしている。 光無線通信システムについては、簡易なファイバから自由空間への素子を作成し、2m程度の距離において400Mb/sの伝送速度で送信できることを実証した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサシステムに関して、屈折率、液体深さ、温度の3パラメータの同時計測を実験的に実証しており、さらに、多地点化への拡張として計算機シミュレーションにより4地点への適用が可能であることを明らかにしている。 シリコンコアの表面プラズモン共鳴を用いた新しい構造のセンサに関しては、波長の長い光波長における屈折率が測定可能であり、基本特性を理論解析により明らかにしている。 さらに、簡易な構成で光無線通信が高ビットレートで伝送できることを実験的に明らかにしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
シリコンコアの屈折率センサに関しては、これまで2次元モデルでの理論解析を行ってきたが、3次元モデルによる解析を検討していく。また、本素子の課題として伝搬損失が大きいことが挙げられるため、より低損失な構成について検討していく。さらに、シリコンコアの他、ゲルマニウムコアファイバを用いたセンサに関しても検討していく。 表面プラズモン共鳴を用いたセンサとして、ガスセンシングについても検討していく。ガス濃度へのセンシング感度を高めるため、マッハ・ツェンダー干渉あるいはファブリ・ペロー干渉計との組み合わせた構成についても検討を行っていく。 さらに、これらの屈折率、ガス濃度に加え温度を含めた多パラメータセンシングに関しても、検討していく。
|
Research Products
(6 results)