2019 Fiscal Year Annual Research Report
Engineering of synthetic and functional rice microbiome that confers resistance to pathogen
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19F19102
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 伸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DASTOGEER KHONDOKER MOHAMMAD GOLAM 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 微生物叢解析 / イネ / マイクロバイオーム / いもち病 / Magnaporthe oryzae / バイオコントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では健全イネと病害イネの微生物叢解析により、それぞれの中核的微生物を同定し、イネに耐病性を賦与する微生物叢の再構築を目指す研究である。2019年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1. 日本各地数地点の水田から、いもち病に罹病したイネおよび同じ水田から健全なイネをサンプリングした。植物体を葉、茎、根に分解してそれぞれからDNAを抽出し、16Sおよび18S rRNA遺伝子を増幅してアンプリコン解析を行った。現在シーケンスデータの情報学解析を行っているところである。 2. いもち病発生圃場において採取した健全イネから微生物(細菌および糸状菌)の単離を行った。単離微生物については個別に保存すると同時に、コロニーの形状や生育速度、および16S/18S rRNA遺伝子配列情報とともにカタログ化している。 3. 単離株のいくつかについてイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)への生育抑制効果を調べたところ、複数の単離株で生育抑制効果が認められ、その中のいくつかはいもち病菌の菌糸伸長をほぼ完全に抑制するほど強力な抗菌効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イネのサンプリング、DNA抽出およびアンプリコンシーケンス解析まで完了し、現在シーケンスデータの情報学解析を行っているところである。一部のシーケンスサンプルのリード数が少なかったため再解析をおこなったため、予定よりわずかに進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下のように研究を推進する計画である。
1. シーケンスデータの情報学解析をすすめ、健全イネと病害イネに特徴的な中核的微生物を同定する。 2. 単離した微生物ライブラリーの中から16S/18S rRNA遺伝子配列を元に中核的微生物を選抜し、イネに耐病性を賦与する微生物叢のカクテルを調整する。このカクテルを接種したイネにおいていもち病菌の接種をおこない、耐病性が向上するか検討する。 3. イネいもち病菌への強い生育抑制効果を示した単離株について、ゲノム解析および生育抑制物質の解析をおこない、いもち病菌抑制効果のメカニズムを明らかにする。また、当該単離株といもち病菌を同時にイネに接種して、いもち病が軽減されるか検討する。
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