2019 Fiscal Year Annual Research Report
AIを用いたサービスリテラシー向上の方法に関する研究
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19F19308
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
日高 一義 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50565736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIDDIKE MD ABUL 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | サービスサイエンス / 受容能力 / service dominant logic / institution / bottom of the pyramid |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ボトム・オブ・ザ・ピラミッド (bottom of the pyramid。所得が最も低い人々の層。以後BoPと呼ぶ) が多数を占める国々の将来にわたる社会・経済発展を、サービスイノベーションによって実現することを最終的な目的としている。BoPの人々のサービスの受容能力に焦点を当て、AIなどの先端科学技術がサービスの受容能力の向上に如何に役立つのかを研究することをめざした。BoP対象国は今回の外国人特別研究員の母国であるバングラディッシュ等とした。BoPにおいて提供されるサービスの実態を把握し、BoPに属する人々のサービスの受容能力を把握するとともに、BoP社会に対する提言をまとめる方法で、研究を進めた。 実態把握のための1次データの収集として、バングラディシュにおける現地調査を行うことを予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で現地調査ができなかった。これにより本研究は大きな制約を受けた。代替手段として、日本からの電話により遠隔でのインタビュー調査を実施した。リモートインタビューはBRAC (bangladesh ruraladv ancement committee) のマイクロファイナンス・サービスをinternet経由で利用するユーザーコミュニティに対して行った。BRACは1972年に設立されたバングラデシュ国内で活動するNGOであり、予算規模535億円、職員数 12万人を越える超巨大NGOである。 本研究取得データの現在までの分析と既存研究からの知見を照らし合わせ、BoPの人々のサービスの受容能力に大きな影響を与えるものの一つとして、彼らの属するコミュニティのinformal institution があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではサービス受容者の受容能力に焦点を当ている。Service Dominant Logic の提唱者であるSteve Vargoはサービシステムにおける“Institution”の役割の重要性に関して述べているが、そこでいうinstitution は主として制度や組織など、人為的に計画され実現されたformal institution のことである。今回のデータ分析により本研究で示唆されたものは、サービス受容者の受容能力に影響を与えものとしての、その受容者が属するコミュニティにおけるinformal institution(solidarity, trust, social norm等) の重要性であり、サービス研究における新たな視点を提供したと言える。本研究の成果は、以下のように、国際会議口頭およびそのfull paper proceedingsに於いて発表された。特に、2)はベストぺーパーアワードを受賞した。 1)Md. Abul Kalam Siddike, Kazuyoshi Hidaka, “Role of Informal Institutions in Service Ecosystem at BOP Economy”, The 17th International research symposium on service excellence in management (QUIS17), 12-15 January, 2022, Spain. 2)Md. Abul Kalam Siddike, Kazuyoshi Hidaka, “Role of Informal Institutions in BOP Economy - A Service-Dominant Logic -, Full Paper Proceedings of Naples Forum on Service, 9th September 2021, Napoli, Italy. 3)Md. Abul Kalam Siddike, Kazuyoshi Hidaka, “Towards a Model for Improving Service Literacy via Digital Assistant”, 12th International Conference on Applied Human Factors and Ergonomics (AHFE2021) , 25-27 July, 2021, Virtual Conference, USA.
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Strategy for Future Research Activity |
データ分析はまだ途上であるのでそれを継続し、AIなど先端情報技術の役割を考察した論文、BoP社会に対する提言、を各々まとめ、学術論文として投稿する予定である。
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Research Products
(3 results)