2019 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔炭素-水素結合の変換反応と合成終盤での官能基変換の方法論の開発
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19F19330
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30171953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REJ SUPRIYA 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-10-11 – 2021-03-31
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Keywords | 炭素-水素結合活性化 / ロジウム / 二座配向基 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、新しい形式の遠隔炭素-水素結合の位置選択的変換反応の開発、さらに、合成終盤で利用可能な炭素-水素結合変換反応の開発をめざした。年度途中の9月1日から採用されたので、まだ大きな成果は出ていないが、いくつかの興味深い反応を見いだすことができた。ロジウムを触媒とする1-ナフチルアミンとアクリル酸エステルとの反応では、ナフタレン環の8位の炭素-水素結合がアクリル酸エステルと酸化的アルケニル化反応を起こし、続いて炭素-水素/窒素-水素結合の酸化的カップリングが起こることを見いだした(Chem. Eur. J. in press)。フリーのアミンを配向基とする炭素-水素結合変換反応の研究が盛んになってきているが、本反応は、フリーのアミンを用いて、ナフタレンの8位が選択的に官能基化される興味深い現象を含んでいる。また、芳香族スルホンアミド類のオルト位の炭素-水素結合がマレイイミドに付加する反応も見出している。現在、投稿に向けて論文にまとめているところである。さらに、ロジウム2核錯体(Rh2(OAc)4)と様々な8-アミノキノリン配向基を有するアミド類とを反応させると新規のロジウム2核錯体が生成することを見いだした。この錯体形成には期待していた炭素-水素結合の活性化は含まれていないが、サイクリックボルタンメトリー(CV)を測定すると興味深い酸化還元特性を有していることが観測された。いくつかの反応を検討したが、今のところ、これら錯体に特徴的な反応は見出されていない。来年度は、この錯体の触媒活性をさらに検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度途中の9月1日から採用されたので、まだ大きな成果は出ていないが、来年度に向けていくつかの興味深い反応を見いだすことができた。ロジウム2核錯体(Rh2(OAc)4)と様々な8-アミノキノリン配向基を有するアミド類とを反応させると新規のロジウム2核錯体が生成することを見いだした。この錯体形成には期待していた炭素-水素結合の活性化は含まれていなかったが、サイクリックボルタンメトリーを測定すると興味深い酸化還元特性を有していることが観測された。来年度は、この錯体の触媒活性を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ロジウム2核錯体(Rh2(OAc)4)と様々な8-アミノキノリン配向基を有する芳香族アミド類および脂肪族アミド類とを反応させると新規のロジウム2核錯体が生成することを見いだしている。この錯体には期待していた炭素-水素結合の活性化は含まれていないが、サイクリックボルタンメトリーを測定すると興味深い酸化還元特性を有していることが観測された。ロジウム2核錯体は、カルベノイド発生の良い前駆体であり、様々は反応が知られているので、来年度は、これら錯体を使って、様々な反応の触媒活性を検討する予定である。また、予備的実験であるが、われわれ自身が開発した炭素-水素結合活性化反応を連続フロー反応装置を用いて検討したところ、良い結果が得られた。されに検討を重ねたい。また、遠隔炭素-水素結合の変換反応の開発にも取り組む予定である。
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Research Products
(2 results)