2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of water-based photon upconversion system using graphene nanosheets
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19F19332
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君塚 信夫 九州大学, 工学研究院, 教授 (90186304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SINGH GURBIR 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | フォトン・アップコンバージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では三重項―三重項消滅を用いて長波長の光を短波長の光へと変換するフォトン・アップコンバージョン(TTA-UC)を示す新規な分子システムの構築を目的としている。中でも無機ナノ材料を三重項増感剤とし、フォトン・アップコンバージョンを得ることを目指している。MoS2などの無機の二次元シート型半導体を三重項増感剤として用いるため、様々な界面活性剤や超音波処理などの方法によりバルクMoS2結晶から二次元シートを剥離し、溶液中に分散させることに成功した。また、無機半導体として近年太陽電池や電界発光デバイスへの応用において大きな注目が集まる鉛ハライドペロブスカイトにも着目した。ペロブスカイトナノ粒子を励起三重項の増感剤として用い、フォトン・アップコンバージョンを発現しうることが知られているが、これまでの研究では固体中における高効率なフォトンアップコンバージョンを発現することが困難であった。そこで本研究では固体マトリックス中にペロブスカイトナノ粒子を分散させ、更に蛍光性のアクセプター分子を高密度に分散させることで、ペロブスカイトナノ粒子を増感剤とした高効率な固体フォトン・アップコンバージョン材料の創出に挑戦している。本年度の研究において、フィルム中にペロブスカイトナノ粒子を分散して高い発光量子収率を得ることに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、新しいフォトンアップコンバージョンシステムの構築に向け、無機ナノ半導体の溶液中および固体フィルム中における分散に成功してきた。高効率なフォトン・アップコンバージョン材料を得るために必要な準備が順調に整ってきていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで開発してきた無機ナノ半導体の高分散化技術をベースとして、蛍光性のアクセプター分子と複合化することにより高効率なフォトン・アップコンバージョンの達成を目指す。従来困難であった固体中における無機半導体増感型のフォトン・アップコンバージョンの実現に向け、ナノ粒子と有機分子の複合化方法を系統的に検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)