2020 Fiscal Year Annual Research Report
Electrochemical-SERS-based novel detection of infectious virus using MoO3 QDs-loaded na nogels
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19F19348
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
朴 龍洙 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (90238246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ACHADU OJODOMO 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / ウイルス様粒子 / 蛍光イムノアッセイ / 表面増強ラマン散乱 / ホットスポット / ノロウイルス / 磁性三酸化モリブデンナノキューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズモニック/磁性三酸化モリブデンナノキューブ(mag-MoO3 NC)を作製し、グラフェン媒介表面増強ラマン散乱(G-SERS)に基づく新しいデュアルSERSナノタグ/基質プラットフォームを介したウイルス検出方法を開発した。さらに、シグナルレポーターとして機能する単層酸化グラフェン(SLGO)を2D SERS基板/キャプチャプラットフォームとして採用し、ラマン分子を共レポーターとして増幅する機能を追加した。開発された表面増強ラマン散乱(SERS)に基づくイムノアッセイは、デュアルSERSナノタグ/基板プラットフォームの電磁メカニズムと化学的メカニズムの組み合わせにより、最大109倍のシグナル増幅を実現した。 本検出法をノロウイルス(NoV)の検出に応用した。種々の条件を最適化することによって迅速なシグナル増幅が可能になり、ノロウイルス様粒子(NoV-LP)の場合、10 fg/mLから100 ng/mLの広い濃度範囲で検出限界(LOD)約5.2 fg/mLの感度で検出が可能であった。NoVに特異的な抗体を修飾した磁気MoO3 NCにより感染患者の糞便サンプル中のNoVを夾雑物と分離することができ、検出感度が約60 RNAコピー/mLの低濃度のNoVを効果的に検出することに成功した。本検出法は、市販の酵素結合免疫吸着測定法に比べ、約1000倍高い感度であり、今後ヒト糞便サンプル中の臨床NoVサブタイプを検出するための実用性が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度に磁性三酸化モリブデンナノキューブ作製の基盤が出来上がったため、デュアル表面増強ラマン散乱(SERS)ナノタグ/基質プラットフォーム合成が順調であった。また、ノロウイルス臨床サンプルを用意出来たことが、計画以上に進んだと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目に作製した検出システムを用いてウイルスを検出し、問題点を改善し、キット化を目指す。比較対象として市販の検出キットや当研究室で確立した検出法を用いる。①ウイルス検出に必要なパラメーターを設定し、定量的に検出できる手法を確立する。検出感度、ウイルスに対する選択性及び抗体の交差反応を確認しながら、最適検出条件を確立し、検出系の耐久性を調べ、現場対応が可能かどうかを検討する。②上記の研究で確立したプロトコールに従い、ウイルス様粒子や大量の夾雑物を含んだ血清入りの検体を用いて検出を行い、検出系の安定性をチェックしながら、臨床検体の検出感度を、他の検出法と比較・検討する。③ナノゲルをコンジュゲートした表面増強ラマン散乱(SERS)は、機械的または化学的変形からのナノタグ保護し、「ホットスポット」を形成する。SERSを基盤としたイムノアッセイにおいて、ホットスポットは重要な物理的現象である。ウイルスの検出実験では蛍光強度として応答するが、その詳細な物理化学的現象の検証は困難である。そこで、数学的シミュレーションを行い、本研究の結果を解析する。シミュレーションを行うためには国外の研究者と連携を取りながら進める。標的ウイルスとして、ウイルス様粒子(VLP)、E型肝炎ウイルス様粒子(HEV-LP)またはノロウイルス様粒子(NoV-LP)を対象にSERSベースのイムノアッセイ技術を開発し、酵素免疫測定法や市販のイムノクロマトグラフィーキットよりも高い検出感度を達成する。
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