2020 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素還元反応のためのチタン酸塩光触媒に添加する新規二元系助触媒の開発
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19F19351
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 寿雄 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80273267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SOLTANI TAYYEBEH 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元 / 水素製造 / 光触媒 / 助触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化の要因とされる二酸化炭素の排出量を減らし炭素資源として有効することが求められている中で,太陽エネルギーを用いて二酸化炭素を有用化合物に変換するための光触媒の開発研究が盛んにおこなわれている.本研究は,二酸化炭素還元のための光触媒の活性を向上させるために有効である助触媒の高効率化を目指し,チタン酸塩光触媒に添加する新たな二元助触媒の開発を行うものである.本研究は特別研究員と共に2019年11月末より開始した. 2019年度の4か月の間には,二酸化炭素還元光触媒反応の評価のための実験環境を整え,触媒探索を行った.その結果,チタン酸カルシウム光触媒を用いて,銀助触媒を含む二元系助触媒の開発に取り組むこととし,助触媒の探索を開始した. 2020年度には,二元助触媒の組み合わせや調製法の検討を行った.銀助触媒と遷移金属酸化物助触媒を組み合わせた場合に,銀助触媒のみの場合と比べて二酸化炭素還元速度はやや劣るものの,新たに水分解による水素生成も並行して進行するようになり,特にニッケル酸化物,鉄酸化物,コバルト酸化物を先に含浸・焼成法により担持してから銀助触媒を光析出法で添加した場合(二段階添加法)に,その効果が顕著であることが見出された.一方で,これらの遷移金属酸化物と銀助触媒とを同時に光析出法で添加すると,銀助触媒のみの場合よりも低い活性を示すことも見出された.これらの結果を学術論文としてまとめ投稿し,掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始後1年と4カ月の間に,実験方法を確立し,調製法も含めた二元系助触媒の探索を行い,一定の成果も見いだせたことから,おおむね順調であるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
さらに現在の光触媒設計指針のまま研究を続け,次の投稿論文として報告に値する成果につなげたい.
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Research Products
(1 results)