2019 Fiscal Year Annual Research Report
非構造部材を含めた不整形低層鉄骨建物の地震脆弱性評価と耐震補強
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19F19356
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
倉田 真宏 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70624592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QI LIANGJIE 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-10-11 – 2022-03-31
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Keywords | 非構造部材 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題A)非構造部材や機器を含めた脆弱性評価に関連して,過去に地震被害を受けた大型商業施設と病院建築を対象に,使用されている非構造部材および重要機器類の情報を入手し,一般的なレイアウトや設計要件を分析した. 非構造部材と重要機器が一体となった天井(一体形吊天井システム)の数値解析モデルおよび地震脆弱性モデルの構築に必要な設計パラメータを獲得するために,京都大学防災研究所に構築した実験モデルには,過去の地震で多くの被害が報告されている立ち上がりあり天井を採用した.同天井は,非構造天井面と構造天井面の間に必要な設備用スペースの深さの違いなどから,天井面に立ち上がりが設けられており,立ち上がり部分の変形に起因して,損傷が大きくなる傾向がある. 実験モデルを利用して微小加振システムを利用した動特性把握実験,ならびに天井と重要機器の干渉度を評価する静的加力実験を実施した.吊天井と機器では固有周期が大きく異なる.また機器の揺れを抑えるために設置されるブレースの角度と機器の固有周期の関係を示す閉解式を提案した.静的加力実験では,天井パネルと機器の間の摩擦力を計測し,両者の間に残留変位が生じる地震動レベルを推定した.獲得した実験データをもとに,汎用構造解析プログラムを利用して,詳細な解析モデルを構築し,天井の一体性を担保する部材を特定するとともに,一部が損傷した場合の性能低下度を検討した. 上記の研究成果をまとめた論文を国際学術論文誌に投稿し採択を受けた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非構造部材と重要機器を含めた建物の脆弱性評価に向けて、一体型天井の振動実験や数値解析実験を実施し、獲得した実験データをもとに、解析モデルを構築し性能低下度を検討した.上記の研究成果をまとめた論文を国際学術論文誌に投稿し採択を受けるなど、当初の予定通り、研究は進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
日本と中国における過去の地震被害例の収集や実大実験モデルを利用した振動実験及び数値解析を通して、非構造部材と重要機器(一体形吊天井システム)を含めた建物の脆弱性評価を実施する.また急性期の利用予定と復旧の迅速化を考慮した費用対効果の高い耐震対策の提案,に取り組む。
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