2020 Fiscal Year Annual Research Report
血管・尿排泄経路を有する次世代腎臓オルガノイドの作成
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19F19363
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 康行 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00235128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VADIVELU RAJA 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | オルガノイド / バイオマテリアル / 前駆細胞 / 自己組織化 / 腎臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血管・尿排泄経路を有する次世代腎臓オルガノイドの作成である。 そこで、まず腎臓の再生や精緻なオルガノイド構築に不可欠な基礎技術である、幹細胞からの腎ストローマ前駆細胞の誘導法、及び前駆細胞の状態での維持・増殖法の開発に取り組んだ。Foxd1-GFPマウスを用いてストローマ前駆細胞を単離し、維持・増幅法の開発を試みた。単離直後と培養後の細胞の遺伝子発現をRNAseqにより網羅的に解析し、発現変動のあった遺伝子群から変動パスウェイを絞り込み、変動を抑える因子の候補を選別した。同定した因子を用い、遺伝子発現パター ンをほとんど変化させることなく増殖率を大幅に向上させることに成功した。 また、上記と並行し、細胞から簡便かつ効率的にアグリゲートを作成する技術の開発に取り組んだ。各種ゲルを特殊加工することで適度な溝を作り出し、溝中で細胞が効率的にアグリゲート状に自己組織化することを見出した。 研究成果の対外発表等としては、共同研究を進めている海外研究者と共著で本研究に直接関連する内容について投稿、掲載に至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎臓の再生や精緻なオルガノイド構築に不可欠な基礎技術である、ストローマ前駆細胞の維持・増幅法の開発を試み、RNAseqによる網羅的解析を活用することで、遺伝子発現パターンをほとんど変化させることなく増殖率を大幅に向上させることに成功した。 また、上記と並行し、細胞から簡便かつ効率的にアグリゲートを作成する技術の開発に成功した。 研究成果の対外発表等として、本研究に直接関連する内容について投稿、掲載に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)腎ストローマ前駆細胞の培養法の確立 確立した条件で培養した細胞の機能解析を行い、必要に応じて培養条件の改善を行うとともに、投稿論文化すべく必要データを取得する。 (2)細胞の自己組織化プラットフォームの開発 アグリゲートの大きさ、密度などを制御すべく、ゲルのレオロジー特性や表面状態の解析を行い、ゲルおよび特殊加工の最適化を行う。血流導入用の流路を3Dバイオプリンターで作成し、細胞の自己組織化プラットフォームとして融合、発展させる。
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