2020 Fiscal Year Annual Research Report
Photo-electroporation: versatile and massively parallel intracellular delivery using TiO2 nanotubes
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19F19365
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
永井 萌土 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00580557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOGANATHAN MOHAN 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | 光電気穿孔法 / ナノ秒パルスレーザ / オプトポレーション / ナノチューブ / 電気穿孔法 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞医療や再生医療のためには,細胞の生存率やトランスフェクション能力が高く,生きている細胞に外部分子をデリバリできる手法が重要である。細胞内デリバリ法は,導入分子量の制御や目的に応じたデリバリを実現し,副作用を軽減するために進歩してきた。これらの手法は,ウイルス法,物理的手法,化学的手法に分類される。 物理的手法には,電気穿孔法や光穿孔法が用いられてきたが,単独の穿孔法ではデリバリできる細胞の種類に制限がある課題がある。 そこで酸化チタンナノチューブ(Titanium oxide Nanotube: TNT)による光電気穿孔法でのデリバリ法の拡大に向けて,光穿孔法と電気穿孔法のそれぞれについて開発を進めた。 TNTを利用したナノ秒パルスレーザー照射による高効率な細胞内デリバリ法(光穿孔法)を開発した。チタンの電気化学的陽極酸化法により,低コストな方法でTNTを形成した。続けてこのナノチューブ上にがん細胞(HeLa,ヒト子宮頸癌細胞)を培養した。生体分子溶液中でナノ秒パルスレーザーを照射し、細胞膜を穿孔した。この技術を用いて,ヨウ化プロピジウム(PI)と蛍光デキストランを高い導入効率と細胞生存率での導入することに成功した。 TNTをベースデバイスとしたHeLa細胞への電気穿孔法を開発した。同様にチタンプレート上に酸化ナノチューブの層を作製した。AC電圧とDC電圧を用いて実験を行い,それぞれの電圧で電気穿孔に適したパラメータを見つけた。DCでは,7Vで5-10分後に細胞の電気穿孔が実現した。AC電圧での電気穿孔実験では、ファンクションジェネレータから生成できる最大のパラメータである20Vpp、100KHzを印加したが,Hela細胞には変化が見られなかった。このことから,電気穿孔には不十分であった。直流電圧では,7Vを5~10分間印加することが電気穿孔には理想的であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標とする酸化チタンナノチューブを用いた光電気穿孔法の実現に対し,光穿孔法と電気穿孔法のそれぞれに進捗があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度では,酸化チタンナノチューブを用いた光穿孔法と電気穿孔法のそれぞれを実証した。これらの技術に基づき,2021年度は光電気穿孔法の実現に向けて,両技術を統合する。電気穿孔の後に同じチップで,光穿孔の実験を行い(またはその逆),光の照射強度や電圧印加条件を変えながらデリバリ効率と細胞生存率が高くなる条件を得る。順序最初に電気穿孔,次に光穿孔がありえる。加えて,同時に電気穿孔と光穿孔を行うことで,デリバリ効率と生存率が高まることも検証する。
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