2019 Fiscal Year Annual Research Report
Passivation of defects in atomic layers
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19F19368
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北浦 良 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50394903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CANTON VITORIA RUBEN 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | 二次元結晶 / 有機無機ハイブリッド / 機能化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、二次元結晶の欠陥修復を目指して種々の分子による欠陥サイトの修飾を試みた。いくつかの例では発光強度の増大が見られ、欠陥サイトに結合した分子が非輻射失活を抑制していると考えられる例が見つかった。今のところ、発光強度の増大は数倍程度であるが、今後さまざまな分子と反応条件を試すことで、より効率の良い欠陥修復法を確立することができると考えられる。また、最近ある種の分子による二次元結晶の修飾では、発光強度の増大は見られなかったものの、低エネルギー領域に局在した励起状態に由来する長寿命の発光ピークを観測することに成功した。これは、光励起によって二次元結晶と分子の間で形成された電荷分離状態に対応するものであると思われる。当初の予定とは異なるが、この局在した電荷分離励起状態からの発光を調べることで、今後単一光子発光などの新たな展開につなげていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた欠陥修復が発光強度の増大という形で観測されたことに加え、分子と二次元結晶の相互作用に由来する新たな光学応答が観測された。後者は当初の計画にはない新たな展開につながる興味深い発見であると考えている。このように、当初予定していた研究に加えて新たな展開もあったことから、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初予定していた有機修飾による欠陥修復と有機物-二次元結晶との相互作用に起因した当たらな光機能の開拓という二本立てで研究を進めていきたい。欠陥修復については、これまで試していない分子を試すとともに、反応条件を検討することで、二次元結晶の質を下げることなく欠陥を修復する技術を確立していく。新たな光機能については、二次元結晶と分子界面で引き起こされる電荷分離に着目し、エネルギー準位のアラインメントを勘案しつつ分子系を選択して実験をすすめる予定である。
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