2019 Fiscal Year Annual Research Report
Biogas production from haophytes using modified anaerobic digester
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19F19370
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
安井 英斉 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70515329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AMEN TAREQ 北九州市立大学, 国際環境工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | メタン発酵 / 耐塩性 / 植物バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
有効容積5Lのジャーファメンタを用いて、模擬原料(牧草+塩類)を連続的に投入したメタン発酵の実験をおこなった。リアクタの水理学的滞留時間と微生物滞留時間を同一に設定した一過式の運転では、滞留時間 15日の条件で原料の牧草におけるCOD成分のほぼ60%がメタンに分解するようであった。現在、塩類濃度を当初のゼロ(無添加)から海水とほぼ同濃度の30 g/Lに増やした条件で運転を継続している。全体の運転期間は約120日で、おおむね一定のCOD分解率が得られている。 また、従来は下水汚泥や食品廃棄物のメタン発酵反応解析で使用されていた国際水協会の数学モデルであるIWA-Anaerobic Digestion Model No.1を本研究の解析に応用するために、原料成分の化学分析も網羅的に実施した。植物バイオマスの主成分であるセルロース・ヘミセルロース・リグニンはIWA-Anaerobic Digestion Model No.1に明示的にリストされていないため、これら成分の挙動(生物分解性・非生物分解性、反応速度等)を文献調査するとともに、バイオエタノール分野で標準化された手法を用いてこれら3成分の存在比率を分析した。セルロースとヘミセルロースはメタン発酵システムにおいてIWA-Anaerobic Digestion Model No.1の「炭水化物」に相当するので、今後は両者の反応速度・産物等を考慮した反応モデルを構築する必要がある。また、リグニンはメタン発酵システムにおいて一部が可溶化し、溶解性の難分解成分として処理水に排出される可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
模擬原料とした粉末牧草がペースト状であったことから、連続実験の立ち上げ当初に多少の装置トラブル(配管閉塞や撹拌不良)があった。これらの対処後は大きな不調なく実験装置を運転することができた。現在、実験のジャーファメンタとして3基を同時に稼働しており、データの大きなバラツキがない状態で実験を継続できている。
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Strategy for Future Research Activity |
連続実験装置を安定的に運転できるようになったため、今後はリアクタ成分の濃度分析にも注力する。分析対象とする主な成分は、全糖や各種低級脂肪酸の有機物ならびに硫酸塩・硫化物であり、特に低級脂肪酸の挙動と硫黄成分の収支を精密に測定する。
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