2019 Fiscal Year Annual Research Report
Porous soft materials with self-healing properties
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19F19376
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 修平 京都大学, 高等研究院, 教授 (90452276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANCHEZ GONZALEZ ELI 京都大学, 高等研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | 多孔性材料 / 自己修復材料 / 金属錯体多面体 / ソフトマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノサイズ空間を有する分子である金属錯体多面体(MOP)を用い、自己集合化プロセスを制御することで、多孔性を有するソフトマテリアル(ゲ ルやコロイド粒子)を合成する研究は、空間機能と材料物性の相関という基礎的研究に加えて、空間材料のプロセッシングといった応用研究へ の展開にむけて大変重要である。本研究では、これまでの多孔性材料では達成できなかった自己修復能の発現を目指す。課題としては、(1) MOP表面の事後修飾による可逆的結合サイトの導入、(2)超分子重合によるゲル化、(3)自己修復能評価と(2)へのフィードバック、( 4)多孔性ゲルの機能評価を行う。 今年度は、パドルウィール型部位を2箇所有するランタン型構造を有するMOPに注目して研究を行った。ネットワーク全体での可逆性を獲得するためには結合点が少ない分子の方が有効であると考えたためである。ロジウムイオンを中心金属に有するランタン型MOPを合成し、ロジウムパドルウィールに対するビスイミダゾール系配位子の配位能の評価を行ったところ、1:1の当量比まではすぐに錯形成を起こし可溶性の錯体を与えた。さらにリンカーを加えたところ1:2当量を超えたところでゲル化することを明らかにした。これはMOP内部にもリンカーが配位し、クロスリンクすることで分子ネットワークを形成しゲル化していることが示唆された。一方で、2当量目の配位は錯形成しにくく、可逆性が高いことが明らかになった。現在はこの2当量目の配位を制御することで自己修復能を獲得することを目指して研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立方八面体、八面体、ランタン型と様々なジオメトリを検討した結果、ランタン型構造を用いることでゲル化することに成功した。またリンカーをMOPに対し2当量くわえることでクロスリンクしネットワーク構造を形成することを明らかにした。一方で、どのような分子構造によりクロスリンクしているかが不明である。そのため現在は計算化学を用いて最適化構造の推定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、加えるリンカーを様々に検討すること、またゲル化に用いる溶媒を検討することで、配位平衡すなわち可逆性を調整することで自己修復能を有する多孔性材料の開発を試みる。
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