2019 Fiscal Year Annual Research Report
Structural biology of Trypanosoma brucei GPI phospholipase c and the development of selective inhibitors against it
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19F19382
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 和彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00358243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IBRAHIM MOHAMMED AUWAL 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2021-03-31
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Keywords | 寄生原虫症 / 阻害剤開発 / 立体構造情報 / X線結晶構造解析 / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アフリカ睡眠病の治療薬開発へ向け、寄生原虫Trypanosoma bruceiの致死性タンパク質glycosylphosphatidylinositol (GPI)-phospholipase C (PLC)を標的とした阻害剤開発を目的とする。分子の立体構造情報を用いたStructure-based drug design、低分子ライブラリーからの結合分子/阻害分子スクリーニングを行うFragment-based drug discoveryに基づく開発を行う。そのためには、X線結晶構造解析に向け、mg単位の大量のタンパク質を高純度に得る必要がある。初年度は、T. brucei GPI-PLCの大量調製を行った。特に、本酵素は膜タンパク質であるため、発現・精製には、様々な工夫を要する。大腸菌pETベクター系による発現系構築を行い、良好な大量発現に成功した。しかし、そのまま溶菌した場合、概ね不溶であったため、可溶化の手段を検討し、有機溶媒を用いる特殊プロセスや、界面活性剤の添加について検討した。その結果、特定の界面活性剤の存在下で、水溶性画分に得られることを見出した。最も多く可溶化できる系を選択し、カラムクロマトグラフィーにより、高純度でのタンパク質調製に成功した。ただし、結晶化の際には高濃度サンプルが必要であり、濃縮時には、沈殿を生じる傾向があったため、並行して可溶性の高い変異体の作成を検討する必要がある。近縁の酵素の立体構造からホモロジーモデルを構築して、疎水性のアミノ酸残基が表面に露出する可能性が高い部位を同定した。その部位を標的として、10以上の変異体をデザインし、発現系の作成を順次進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、まずは良好な大量発現系の構築を目指しており、水溶性画分として調製することに成功した。可溶化できるかがプロジェクト全体の成否を分けるネックとなっていたため、概ね予定通りの進捗と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
大規模に変異体作成を進め、結晶化を試みるとともに、今回得られた野生型タンパク質を用いて、阻害活性の評価を行う。
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